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《ワイズ横丁》石門ダムの水位低下、対岸に渡れず住人がSOS/台湾


ニュース 社会 作成日:2021年4月13日_記事番号:T00095541

《ワイズ横丁》石門ダムの水位低下、対岸に渡れず住人がSOS/台湾

 台湾北部の水がめとなっている石門ダム(桃園市)の東部、ダム湖に張り出した半島の突端に位置する集落、薑母島では日ごろ、対岸の阿姆坪埠頭(ふとう)との間を行き来する小型船、サンパン(はしけ)を外部へ出るための主な交通手段としている。しかし、雨不足でダムの水位が低下し、サンパンの運行ができなくなり、住民が孤立する事態となっている。

 薑母島には現在、十数世帯の住民が暮らしているが、周辺地域が石門ダムの水源地となっていることから開発が制限され、険しい山道に囲まれている同集落の住民は船に頼って暮らしている。

 同集落では毎年、渇水期になると水位が低下して船が岸に着けられず、ぬかるみの上で船を乗り降りする必要が生じ、集落の大部分を占める高齢者は大きな困難に直面する。かつて1人の高齢者が泥に足を取られて身動きが取れなくなったこともあった。

 今年は特に雨不足が深刻で、例年に比べ早くから水位の低下が始まり、集落では政府からフロート(浮き)を借りて臨時の埠頭を設置した。しかしその後も水位はますます低下し、住民はサンパンがスムーズに着岸できるよう毎日朝早くからフロート周囲の泥をかき出す作業に追われるようになった。

 現在は、船の運行がほぼ不可能となっており、既に一部の住民が一時的に外部に移住した。しかし大部分は依然、集落内に残っており、住民の1人は12日、湖岸の草地に耕運機で「SOS」の文字を浮かび上がらせ、政府に支援を要請した。

 これまでにも薑母島では住民の交通問題を解決するため、集落と対岸を結ぶ、全長400メートルの橋の建設が計画されたが、環境保護当局の同意が得られず、実現しなかった。

 一方、かつてこの集落が人気ドラマ「ハートに命中!100%(中国語タイトル・命中注定我愛你)」のロケ地となり、大勢の観光客が訪れるようになったことから、政府は3年前には観光用の橋を、昨年10月からは湖岸の遊歩道を整備する工事を実施していた。

 「二等国民扱いをしないでほしい」と不満をこぼす住民からは今回の緊急事態に際し、渇水期だけでもいいから仮設橋を架けてほしいと切実な声が上がっている。