ニュース 電子 作成日:2021年4月22日_記事番号:T00095698
22日付経済日報が米インターネットメディア、ブリーピング・コンピューターの報道を基に伝えたところによると、ノートパソコン受託生産大手、広達電脳(クアンタ・コンピューター)がサイバー攻撃を受け、クアンタの大口顧客、米アップルの製品の設計図など機密データを盗まれたようだ。ハッカーグループは5,000万米ドル以上を要求し、支払わない場合は、大口顧客の機密データを公開すると脅迫しているとされる。業界では、クアンタがアップルから損害賠償を請求され、発注を削減される可能性があるとみられている。
クアンタは、一部サーバーがサイバー攻撃を受けたことは事実と認めた上で、既に対策を取っており、運営に影響はないと強調した。
ブリーピング・コンピューターによると、クアンタは要求額を支払わないようだ。
一部データを公開か
ブリーピング・コンピューターによると、ハッカーグループは、身代金要求型ウイルス(ランサムウエア)「REvil(レビル)」を使用し、クアンタに対し、27日までに仮想通貨のモネロ(XMR)で5,000万米ドル、27日を過ぎるなら1億米ドルを支払うよう要求した。30日までに支払いがなければ、アップル製品の設計図、従業員や顧客の個人データを公開すると脅迫した。
レビルはこれまでに、アップルのノートPC「MacBook(マックブック)」の設計図をダークウェブ(通常の検索エンジンでは発見できず、専用の閲覧ソフトでしか見ることのできないサイト)上に公開したようだ。アップルの新製品かは不明。
クアンタは、アップルのマックブックや、▽デスクトップPC「iMac」、▽サーバー──の組み立てを手掛ける。業界では、今後のアップルの新製品の開発に影響が及ぶと懸念されている。
受託生産大手がターゲットに
台湾の大手電子メーカーへのサイバー攻撃が近年増えている。
アップルのサプライヤーではクアンタのほか、鴻海精密工業がメキシコ工場で昨年11月にランサムウエア「DoppelPaymer(ドッペルペイマー)」によるサイバー攻撃を受けた。仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は昨年11月、コンピューターウイルスへの感染により、社内のPCやネットワークが一時的に使用できなくなったようだ。
PC大手の宏碁(エイサー)は今年3月、欧米支社のサーバーがレビルによる攻撃を受け、ハッカーグループから5,000万米ドルの支払いを要求された。エイサーは要求に応じず、ダークウェブ上に同社の財務情報が公開された。
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