ニュース 商業・サービス 作成日:2021年5月17日_記事番号:T00096146
主要日刊紙の台湾「蘋果日報」が17日の紙面を最後に廃刊となった。今後は電子版として存続する。14日の廃刊発表に際し、同紙は「メディアを取り巻く環境が変わった。経営は赤字が続き、やむを得ず廃刊を決定した」と説明した。
紙版の最終日の蘋果日報(17日=中央社)
廃刊の背景にはデジタル化の進行による紙媒体離れに加え、最近の香港情勢悪化と広告収入激減がある。特にグループ創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏が香港国家安全維持法違反の罪で起訴され、親中勢力が同紙への広告掲載を取りやめたことも響いたとみられる。香港での紙面発行は継続する。
最終日の1面にはトレードマークのリンゴに「再会(また会おう)」という文字とこれまで報じてきた大事件の紙面が並んだ。
同紙は香港系メディア企業、壱伝媒(ネクスト・デジタル)が香港「蘋果日報」の姉妹紙として、18年前の2003年5月2日に創刊。ビジュアルを重視した紙面と告発重視のセンセーショナルな報道で主要紙にのし上がり、台湾新聞業界の版図を塗り替え、一時は発行部数が71万部を数えたが、最近は10万部程度に低迷していた。
廃刊は時間の問題とみられていた。15日付聯合報によると、廃刊直前に民進党寄りのテレビ局2局の大株主が蘋果日報買収を話し合ったが、董事会で否決され、不発に終わったという。
蘋果日報は17日の最終紙面に「紙媒体としてはなくなるが、読者に対する約束は変わらない。『蘋果』の精神が弱まることはなく、さらに勇敢に立ち上がり、読者に最高の報道で報いたい」とするメッセージを掲載した。
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