ニュース 社会 作成日:2021年6月9日_記事番号:T00096619
新型コロナウイルスの市中感染が拡大する一方、ワクチン調達が追い付かない状況で、社会に不安感が高まっている。一部では、政府の不手際を批判したり、感染者を非難する声が上がっている。一方、皆で力を合わせ、社会にプラスのエネルギーを注入しようという呼び掛けが広がっている。
張清芳はフェイスブックのアイコンに「#譲我陪你等到疫苗」と表示した(張清芳フェイスブックより)
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は昨年7月、ワクチン共同購入の国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を通じ、今年第1四半期に1,000万回分のワクチンを取得すると表明した。今年2月には、蘇貞昌・行政院長が第1~第2四半期に2,000万回分が到着するとの見通しを示していた。
新型コロナ感染を抑制できていた間はまだよかったものの、5月中旬より新型コロナの市中感染が急拡大した。
しかし、これまでに台湾に到着したワクチンは、日本から提供された124万回分を除けば、87万6,000回分と、購入分のわずか4.4%にとどまっている。
新型コロナによる死者は300人を超え、死亡率が海外より高まる中、政府に対する批判の声が強まっている。
蘇・行政院長と指揮センター指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は8日、国民党の曽銘宗・立法委員から、遺族に対し謝罪するつもりはあるかと迫られ、最終的に「心から申し訳なく思う」と謝罪する立場に追い込まれた。
芸能界では、ベテラン女性タレントの張小燕(72)が5月31日、フェイスブック(FB)上に「これ以上困らせないで!われわれにワクチンを!」と政府批判とみられる記事を投稿した。これまでに22万件の「いいね!」が寄せられるなど多くの賛同の声を集めた。
一方で、女性歌手の張清芳(54)は8日、FBに、新型コロナの域内感染者が急増して以降、高齢の母親が不安を感じていると記した。その上で、「#譲我陪你等到疫苗(ワクチンが来るまで私があなたのそばにいる)」とハッシュタグを付け、手と手を取り合い、厳しい状況を乗り越えてウイルスに打ち勝つための運動を広めようと呼び掛けた。
この運動は、公益活動に参加したり、普段テイクアウトを利用する屋台で多めに注文して支援したり、ネット上で趣味や好きな音楽を紹介したりして、プラスのエネルギーを注入しようと提案している。
するとさっそく、人気女性歌手の徐佳瑩(ララ・スー)や彭佳慧(ジュリア・パン)が「#譲我陪你等到疫苗」のハッシュタグを付けて、好きなシュークリームや牛肉麺の店を紹介するなど、芸能界を中心に賛同の動きが広がった。張小燕も「同じ島で運命を共にする者として、私たち皆でワクチンを待とう」とのコメントとともに、賛同者の記事を次々にシェアした。
困難を乗り越えるために、批判や謝罪を求めるよりも、思いやりの心で一致団結した方が、力強いパワーが生まれそうだ。
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