ＴＦＴ－ＬＣＤ液晶パネル価格は、受注の回復と７月からの減産戦略が奏効し、８月に入って下落が緩やかとなっている。市場調査機関、アイサプライ（iSuppli）のＬＣＤ・プロジェクション担当ディレクター、スウェタ・ダッシュ氏は、「パネルメーカーの生産能力調整、在庫消化が進む中、テレビ、モニター、ノートパソコン（ノートＰＣ）の需要回復を受けて、液晶テレビおよび液晶モニターのブランドメーカーが在庫消化のため製品の値下げを開始した。さらにノートＰＣのハイシーズンに入ることから、大型パネル価格は９月には上昇に向かう」という見方を示した。20日付蘋果日報が報じた。
ダッシュ氏によると、ノートＰＣ、液晶モニター、液晶テレビ向けパネル価格は５月に４～７％下落した後、７月には３～15％下落、８月は全体で４～20％の下落となるとみられる。今後は価格が生産コストに接近またはコスト割れしているパネルから上昇する見通しだ。
奇美電子（ＣＭＯ）の何昭陽総経理は、「需要が増加する新学期シーズンに向けて受注の回復が見られ、今年は７月が景気の谷底となる」と語っている。中華映管（ＣＰＴ）幹部も、「現在受注は全体的に見通しが明るくなってきており、第３四半期は前期よりよくなる」という予測だ。ただ、減産は継続し、新工場の設置も市場の回復を待って検討するとしている。
