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《ワイズ横丁》拾ってはいけない道端の紅包、落とし主は台南の有名人?/台湾


ニュース 社会 作成日:2021年6月21日_記事番号:T00096805

《ワイズ横丁》拾ってはいけない道端の紅包、落とし主は台南の有名人?/台湾

 台湾ではお年玉や祝儀などは、赤い袋に入れて相手に渡すことから「紅包」(ホンパオ)と呼ばれる。ただこの紅包が道端に落ちていた場合、とある風習が理由で拾ってはならない。そんな紅包がこのほど台南市の路上に落ちているところを発見され、しかも表にある人物の名前が記されていたことから、ちょっとした騒動となった。

/date/2021/06/21/19tainan_2.jpg紅包は、2日間、誰にも拾われず、雨に濡れ、泥をかぶった(カドヤFBより)

 台湾で道端の紅包を拾ってはならないとされる理由は、「冥婚」という風習にある。この風習は未婚で亡くなった子どもをふびんに思う親が、死後に適当な相手(死者、生者を問わない)を立てて婚礼を挙げさせるというもので、女性が死亡した場合に行われることが多い。

 冥婚の相手を選ぶ方法の中に、赤い袋に死者の写真や髪の毛、生年月日を記した紙などを包んで道端に放置し、拾った人を「縁がある人」として相手に選ぶというものがある。善意、悪意にかかわらず、誰かがこれを拾った途端、物陰で見守っていた親族が飛び出してきて結婚相手にさせられるというわけで、台湾の子供は年配者から「道に落ちている紅包は拾ってはいけない」と言い聞かせられるらしい。

 そんな「道端の紅包」が今月19日、台南市東区で発見された。しかも表には黄偉哲・台南市長のサインが金色のインクで印刷されていた。

 この袋は、黄・市長が何かの機会に市民に配布したものと考えられるが、これを見かけた近くの日本風の昭和レトロ喫茶店、カドヤの関係者は店のフェイスブック(FB)ページに冗談で「黄偉哲市長、勝手に置かないで。早く取りに来て」と書き込み、さらに同様の内容を市のホットラインに通報した。

 すると、しばらくしてカドヤの投稿に対し、黄・市長の公式アカウントから「ちょっと待って、まだ私は(親族の冥婚相手を捕まえるために)物陰に隠れてはいませんよ」とのコメントが付けられた。これがきっかけとなってこの紅包は一躍話題となり、その動向に注目が集まった。

 最終的に20日にカドヤ関係者が紅包を確認したところ、中には誰かの髪の毛や金銭など冥婚絡みの物はなく、米が入っていたそうで、特にドラマチックな展開もなく一件落着となった。

 カドヤ関係者は、冗談でホットラインに通報したことについて「市の資源を浪費した」と謝罪。その一方で、市の素早い反応を「拍手に値する」と称賛した。すると、この投稿にも市長から「支持に感謝します。コロナ禍が過ぎたら引き続き台南の素晴らしさを伝えていきます」とコメントが寄せられた。

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