ニュース 社会 作成日:2021年6月29日_記事番号:T00096949
屏東県枋山郷で新型コロナウイルスの変異株、デルタ株のクラスター(感染者集団)が発生したとのニュースが報じられた後、インターネット上に「屏東の農産物がウイルスに汚染されている可能性がある」とのデマが拡散されたため、同地の名産物で現在、収穫シーズンを迎えている愛文マンゴーの注文キャンセルが相次いだもようだ。
屏東県の黄明賢・県議会議員(国民党)は、枋山郷のマンゴー100箱を購入し、台北市や新北市の医療機関などに寄贈した(28日=中央社)
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)の発表によると、枋山郷では29日までに14人に新型コロナウイルスへの感染が確認され、うち9人から変異株のデルタ株が確認された。
デルタ株は感染力が強いとされることもあってか、その後、ネット上では屏東の農産物が新型コロナウイルスに汚染されており、マンゴーを通じて感染する可能性があるとのデマ情報が広がった。
こうした中、枋山郷の農家では愛文マンゴーの注文が大量に取り消されたほか、400箱余りの愛文マンゴーを仕入れた仲卸業者が市場に卸したところ、小売業者から産地を聞かれ、枋山産だと判明すると大部分が買い取りを拒否されるといった事例も発生した。さらに▽枋寮郷、▽春日郷、▽獅子郷──などで採れるマンゴーにも風評被害が広がった。
これに対し屏東県の潘孟安・県長は27日、「デモの拡散はやめて」「マンゴーに汚名を着せないで」と訴えた。行政院農業委員会(農委会)も「野菜や果物を通じて新型コロナウイルスに感染した事例は世界でも確認されていない」と説明した。
また、蘇貞昌・行政院長や鄭文燦・桃園市長、作家の龍応台氏など政治家や著名人から、デマを信じず、屏東県の農家を支援しようとの呼び掛けが相次いだ。
その後、ネットユーザーの間で呼び掛けに呼応し、マンゴーを買って農家を支えようという動きが一気に広がり、枋山地区農会(農協)では28日だけで5,000件以上の注文を受け付けた。
今回のデマについて屏東地方検察署は、事実に基づかない情報を故意に拡散させ、公衆や他人に損害を与えた場合、最高3年以下の懲役または拘禁、合わせて300万台湾元(約1,185万円)以下の罰金処分が科されると指摘。現在、鋭意捜査を進めていると説明した。
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