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《新型肺炎》モデルナワクチン、台湾での受託生産交渉(トップニュース)/台湾


ニュース 医薬 作成日:2021年6月30日_記事番号:T00096954

《新型肺炎》モデルナワクチン、台湾での受託生産交渉(トップニュース)/台湾

 台湾でモデルナの新型コロナウイルス感染症ワクチンを受託生産する可能性があるとの情報に対し、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は29日、メーカーと交渉を行っていることは事実と認めた。国家衛生研究院(国衛院)の梁賡義・院長は、仮に受託生産の契約がまとまれば、6~9カ月の準備期間を経て量産に入り、当初は年間3億~5億回分を生産すると説明した。最大で年間10億回分を、5~10年にわたり生産する契約となる見通しで、台湾での安定的なワクチン確保に貢献しそうだ。30日付工商時報などが報じた。

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 梁・院長は、モデルナなどから台湾でのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン生産を授権することについて外交部が交渉しており、衛福部食品薬物管理署(TFDA)や経済部工業局が域内の生産能力を確認中だと指摘した。国衛院は、バイオ医薬品メーカー数社と提携し、「mRNAワクチン量産国家チーム」を組織する計画があるとした。

 衛福部や経済部が受託生産を打診したとされる▽台康生技(エアジェニクス)、▽永昕生物医薬(マイセナックス・バイオテック)、▽薬華医薬(ファーマ・エッセンティア、PEC)──は、いずれもmRNAワクチンの量産能力があり、政府が国家チームを組織するのであれば、年間3億~5億回分を生産することができると表明した。

 一方で陳・衛福部長は、ワクチン確保のチャンスと可能性に、指揮センターは全力で臨んでいるが、必ず成功する保証はないと説明した。生産量や技術の授権にハードルがあり、ワクチン大手メーカーの世界生産計画もからむと述べた。

生産能力不足の懸念も

 2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時に当時の行政院衛生署疾病管制局(疾管局)局長を務めていた蘇益仁氏は、▽台湾メーカーのワクチン生産能力が不足していること、▽mRNAワクチンは新しい技術で、台湾では研究開発(R&D)の経験がなく、生産技術が十分ではないこと──から、モデルナのワクチン量産計画は「絵に描いた餅」だと批判した。

 蘇氏は生産能力不足について、ワクチンの共同購入の国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」が昨年4月、台湾に人員を派遣し、バイオ医薬品メーカーでのワクチンの受託生産能力を調査した際、当時は月産能力がわずか1,000万回分と評価されたと指摘した。また昨年8月に、アストラゼネカ(AZ)のワクチン受託生産について交渉した結果、不調に終わったのも生産能力の不足が原因だったとした。

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