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貧富の差、過去最大に=中時調査


ニュース 社会 作成日:2008年8月22日_記事番号:T00009710

貧富の差、過去最大に=中時調査

 
 中国時報が独自に入手した財政部財税資料中心の最新統計をもとに、台湾全世帯の年間所得データを調査した結果、最低所得層5%の平均は6万8,000台湾元(約23万6,000円)余り、最高所得層5%の平均は400万元となり、その格差は58.61倍という過去最高を記録した。22日付中国時報が報じた。

 同様の方法で算出した貧富の差は、1998年には32.74倍だったが、00年に40倍、03年に50倍に達するなど、過去10年間上昇を続けている。

 政治大学国家発展所講座の王振寰教授は、「過去数年、『富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しく』といった傾向が続いている」と指摘した。この要因として王教授は、「経済のグローバル化や中国経済の発展といった外的要因と、中国の発展に伴う域内産業構造の調整が進んでいないこと、不公平な税制といった内的要因が考えられる」と分析する。

 台湾大学社会工学系の林万億教授も、「1980年以降所得の両極化が進んでおり、貧困ライン(最低限の生活に必要な消費支出)の引き下げには限界がある中、新貧困層や準貧困層が増加している」と指摘する。林教授は「政府は、就業率の引き上げ、税収への高所得者負担を拡大するなど、格差縮小に対しさらに積極的な政策を実施すべき」と提言した。