新型コロナウイルスの防疫レベル第３段階（レベル３）は26日まで延長されたが、13日から飲食店の店内飲食禁止などの一部規制は条件付きで緩和される。感染状況に即した対応が地方政府に認められており、台北市、新北市、桃園市、台中市、高雄市政府は９日までに、飲食店の店内飲食禁止を続けると発表した。ファストフード最大手のマクドナルドなどは８日時点で、26日まで店内飲食を見合わせると発表した。店内飲食には厳しい感染対策が求められており、外食の再開は、新型コロナ感染確認が続く北部以外でも様子見が続きそうだ。自由時報電子版などが報じた。

鄭・桃園市長。飲食店の店内飲食は、各県市政府や業者で判断が分かれ、消費者が混乱しそうだ（桃園市政府リリースより）

　台北市政府は９日午後、飲食店の店内飲食禁止を続けると発表した。柯文哲・台北市長は８日、台北市もまだ観察が必要な状況だと語った。科学的に言えば、マスクを外して会食するのは最も危険な行為で、解禁するのは一番最後だと述べた。

　侯友宜・新北市長は９日午前、新北市は新型コロナ感染拡大が深刻な地域で、近隣の台北市万華区の卸売市場、環南市場のクラスター（感染者集団）で感染経路が不明なケースがあり、厳格な対応が必要なためと説明した。ワクチン接種率が十分でないことも理由に挙げた。

　鄭文燦・桃園市長は８日午後、桃園市の75歳以上のワクチン接種率が76.55％と全県市で最も高いが、新型コロナ感染はまだ収束しておらず、飲食店は当面テイクアウト・デリバリーのみとし、店内飲食の解禁時期は検討すると説明した。夜市（ナイトマーケット）は一部再開するが、飲食は禁止する。

　盧秀燕・台中市長は９日午後、マスクを外すのはリスクがあるとして、26日までは飲食店の店内飲食を解禁しないと発表した。

　陳其邁・高雄市長も９日午後、台北市と新北市でクラスター問題が解決しておらず、移動のリスクがあるので、高雄市でも飲食店の店内飲食禁止を続けると発表した。

　一方、林智堅・新竹市長は８日、指揮センターが発表した飲食業防疫管理措置に従い、飲食業者は店内飲食を再開できると説明した。ただし、新竹市の公有市場12カ所では店内飲食を禁止する。

　黄偉哲・台南市長は８日、指揮センターの方針に従うと述べた。

王品集団、売上高３割増へ

　マクドナルドとフライドチキンの頂呱呱（ＴＫＫフライドチキン）は、26日まで店内飲食と店内トイレ利用を見合わせる。一方、モスバーガーとバーガーキングは、13日より店内飲食を再開することを決めた。座席間隔の確保「梅花式」や、アクリル板などの設置など、感染対策を講じる。ケンタッキーフライドチキン（ＫＦＣ）は検討中だ。

　レストランチェーン最大手、王品集団は、13日以降の座席予約を開始し、感染対策を講じて営業すると表明した。セルフ方式の食べ放題店、「和牛涮」「聚」などでは従業員が料理を運び、大皿料理の店では従業員が１人分ずつ取り分けてから提供する。全283店の営業再開で、売上高30％回復を見込む。

　量販店大手、家楽福（カルフール）は、13日より店内のフードコートで飲食を解禁する。愛買（ａマート）は検討中、好市多（コストコ）は当面解禁しない。

　コンビニエンスストア大手、セブン－イレブンなど４社は、イートインスペースの再開を検討中だ。

プロ野球は無観客試合

　交通部は８日、台湾高速鉄路（高鉄）や台湾鉄路（台鉄）、高速バスの車内や有料エリアでは、13日以降も飲食禁止と発表した。高鉄の自由席と台鉄の立ち席の販売も再開しない。

　台湾プロ野球リーグ、中華職棒球大聯盟（ＣＰＢＬ）は、13日以降の試合再開の申請が指揮センターに認められた。当面は無観客試合となる。

　産業団体の代表者は８日、一部の規制緩和では、サービス業の起死回生や、リベンジ消費（報復性消費、自粛の反動による購買意欲向上）は期待できないと指摘した。

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