ニュース 社会 作成日:2021年7月14日_記事番号:T00097233
台北都市交通システム(MRT)台北駅M1出口近くには長年、頭は鳥、体は人間の像が設置されていた。これは「夢遊(デイドリーム)」と名付けられたアート作品で、その奇抜で目立つ姿から多くの市民に待ち合わせ場所として愛用されてきたが、13日に撤去されていたことが明らかとなった。
迷路のような台北駅で、貴重な目印になっていた(YSN・20年8月撮影)
MRT台北駅で下車し、地下道を通って北側のバスターミナル、台北転運站や京站ビル、中山地下街へ向かう際、その途中で、芝生状の床に立つ真っ白な人間の体に、大きな黄色い頭、飛び出した青い目、長いくちばしといったいでたちの像が首の当たりから水を滴らせている光景が目に入る。
「鳥人間」像は、芸術家の何采柔氏と郭文泰氏が2010年に制作し、台北当代芸術館(MoCA)が設置したものだ。同館の説明によると、「顔から流れ落ちる水に全身を覆われた鳥の頭を持つ少女」が、永遠に歳を取らず、手にした鉛筆は永遠に字を書くことはなく、「静止」と「流動」、「現実」と「幻想」の間にとどまり続ける姿を現しているという。
作者らは、この超現実的な像を見た市民が足を止めて、笑顔を浮かべたり、夢想したりすることで、単調な日常生活から少しの間でも、解放されることを願って制作したそうだ。
鳥人間像の設置エリアについては台北当代芸術館が台北大衆捷運(TRTC)と年間賃貸契約を結んでおり、毎年の契約更改時に作者に意向を尋ねているが、今年で既に設置から11年が経過したこともあり、補修が必要との認識が作者から示されたことを受けて撤去が決まった。
鳥人間像は、台湾の市民の待ち合わせ場所となっているほか、台北を訪れる日本人観光客にもその存在が知られ、一部のガイドブックにも記載されている。このため、「重要なランドマークになっているのに、なぜ撤去するのか」と惜しむ声も聞かれる。
撤去された鳥人間はどうなるのかとの質問に対し台北当代芸術館は、「作者のプライバシーを尊重し、確認していない」と回答した。永遠に歳を取らない鳥頭の少女は、今後もどこかで首から水を流し続けるのだろうか。
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