ニュース 社会 作成日:2021年7月15日_記事番号:T00097256
明代の武将、鄭成功が使用した木造帆船を復元した「台湾成功号」は現在、台南市安平区の「1661台湾船園区」に展示されているが、虫食いによりメインマストや船体が腐食し、傾きが生じていることがこのほど明らかとなり、修理すべきか、廃棄すべきか議論となっている。
19年の修復後の台湾成功号(YSN・19年8月撮影)
台湾成功号は、鄭成功が1661年に台湾を占領していたオランダ軍艦を撃退した際に使用した木造帆船を台南市が1億台湾元(約3億9,000万円)以上の費用をかけて復元したもの。大きさは全長30メートル、全幅7.6メートル、高さ3メートルで、高さ26メートルのメインマストを備える。
鄭成功の出生地、長崎県平戸市の松浦資料博物館が所蔵する「唐船の図」を元に専門家の考証を経て設計を行い、2008年11月に着工した。その復元過程はケーブルテレビのドキュメンタリー専門局「ナショナル・ジオグラフィックチャンネル」によって記録され、番組として放映された。
その2年後の10年に完成し、安平港から、鄭成功が台湾上陸を果たした場所とされる鹿耳門(台南市安南区)まで処女航海を行った。
翌11年末、夜間訓練のため高雄港沖を航行中にメインマストが折れる事故が発生。その後、安平港エリアの林黙娘公園に陸揚げされたまま、長年にわたり放置されることとなった。
そんな中、成功号の教育的価値を重視した台南市政府は約400万元の費用を投じて修復を進め、さらに周辺を「1661台湾船園区」として整備し、19年に一般公開した。
ところが園区のオープンから2年が経過した現在、虫に食われてメインマストが腐食、船体も大きく傾いていることが明らかとなり、「これ以上費用をかけても完全に修理することは難しいため、『火葬』して鄭成功に送った方がよい」との声が台南市議から上がった。
黄偉哲・台南市長は、この船は歴史的文化財には指定されていないため、中央から資金面でまとまった補助を受けることはできないものの、何とか修復の道を探りたいと語った。成功号の命運はいかに。
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