中央流行疫情指揮中心（中央流行疫情指揮センター）が17日に発表した新型コロナウイルスの域内感染確認は８人と、防疫レベル第３段階（レベル３）下で初めて１日当たり１桁となり、指揮官の陳時中・衛生福利部（衛福部）長は、感染状況から見て、26日以降の防疫レベルを引き下げる可能性が高まったと語った。今週、防疫レベル引き下げの検討と関連の準備を開始すると述べた。防疫レベルを引き下げても飲食店の店内飲食の再開には、仕切り板の設置や店内移動時のマスク着用などの防疫措置が必要で、マスクなしで食事や飲酒、カラオケをするにはまだ時間がかかると語った。19日付自由時報などが報じた。

陳・衛福部長は、新型コロナ感染確認数が少なくなったことで、疫学調査の精度が上がると語った（衛福部疾病管制署YouTubeより）

　週末以来の域内感染確認は、▽17日、８人、▽18日、15人、▽19日、15人──で、３日連続で20人を下回り、９日連続で30人を下回った。

　陳・衛福部長は18日、全体として感染制御の状況は非常に安定していると説明した。防疫レベル引き下げの鍵となるのは、▽感染抑制の制度、▽医療機関の収容能力、▽緊急事態への対応力──で、当面は感染者ゼロを追求しないと説明した。

　陳・衛福部長は、台北市と新北市では、市中感染が確かに存在し、完全にゼロにするのは非常に困難だと述べた。防疫レベル引き下げは今週の感染状況次第といえ、小型のクラスター（感染者集団）が発生すれば、防疫レベルを引き下げないこともあり得るし、引き下げたとしても段階的な規制緩和になると語った。

　一方、指揮センターは17日、外出時は全行程マスク着用が必要だが、風通しのよい屋外で、社会的距離（ソーシャル・ディスタンス）を確保できれば、飲食してもよいと説明した。また、同居の家族同士なら、車内で飲食してもよいと指摘した。防疫レベル３は延長したものの、13日より９人以下の域内旅行ツアーや、屋外のレジャー施設の営業の再開など一部規制が緩和され、食事する場所がないとの声が上がっていた。

バス運転手・鼎泰豊なども感染

　台北市政府は16日、13日に新型コロナ感染が確認された第１万5,458例は路線バスの運転手で、12～14日に218路線に勤務していたと発表した。バス運転手の家族５人は６月11日以降に感染が確認されていたが、バス運転手は７月６日までの検査３回でいずれも陰性で、勤務を再開していた。同僚80人余りに検査を実施する。

　小売店や飲食店でも新型コロナ感染確認が続いている。誠品が運営する台北駅地下のショッピング街では17日までに、６人の感染が確認された。台北地下街Ｋ区は閉鎖しており、19日に営業を再開する予定だ。

　小籠包で知られるチェーン店「鼎泰豊」の新生店（中正区）では、テイクアウトの包装を担当する従業員ら２人、新北市在住の友人１人の感染が確認された。台北市政府衛生局は、18～20日の営業停止を命じた。

　柯文哲・台北市長は17日の記者会見で、感染者ゼロに向け、感染経路を断ち切るため、厳しい措置が必要だと述べた。感染者との接触による外出制限「居家隔離」の対象者に対し、１人１戸でなければ、できる限り防疫ホテルに移送することで、家族間感染を防ぐと表明した。統計によると、居家隔離の対象者の10％の感染が確認されている。

　新北市では、７月19日までに6,686人の感染が確認されており、うち６割に当たる約4,000人が無症状、または極めて軽症だった。侯友宜・新北市長は、無症状の「隠れ感染者」が感染を広げていると指摘し、防疫レベルを引き下げて規制を緩和するには、検査や感染経路の追跡で、隠れた感染経路を断ち切る必要があると強調した。

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