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鴻海の鄭州工場、豪雨でiPhone出荷に打撃か(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2021年7月22日_記事番号:T00097361

鴻海の鄭州工場、豪雨でiPhone出荷に打撃か(トップニュース)/台湾

 中国河南省鄭州市などで17日から続く記録的な豪雨により、アップルのスマートフォンiPhoneの世界生産台数の半分の組み立てを手掛ける鴻海精密工業の鄭州工場は、周辺道路の冠水で物流網が乱れ、部品調達と出荷に打撃を受けているようだ。専門家は、今後3日は豪雨が続くと予測した。20日付経済日報によると、9月発売に向け鄭州工場で量産間際とされる新機種iPhone13の部品調達と出荷にも遅れが生じる可能性がある。

/date/2021/07/22/00top_2.jpg鄭州市の市街地。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は21日、ソーシャルメディア、微博(ウェイボー)に、豪雨による現地の市民への打撃に心を痛めているとコメントを寄せた(21日=中央社)

 鴻海は21日、豪雨直後から緊急事態措置を取っており、工場区内の人員の安全に懸念はなく、生産設備や生産ラインは現時点で影響は出ていないと説明した。一方、豪雨被害の拡大で、交通網が打撃を受けており、状況に応じて運営を調整すると説明した。

 サプライチェーン関係者は、鄭州市は道路の冠水が深刻で、交通、物流が大幅に乱れ、鴻海の鄭州工場では人や貨物の出入りができない状況にあり、水が引かなければ正常な生産体制に戻せないと指摘した。

 工商時報などによると、鄭州工場では現在、iPhone13の試験生産をしており、間もなく量産入りするようだ。9月末の量産のピークに向け、人員を30万人に増やすため、期間工の募集に8,500人民元(約14万5,000円)と、高額の報奨金を出しているとされる。

半導体用ウエハー、生産打撃も

 半導体用シリコンウエハー台湾3位の合晶科技(ウエハーワークス)は21日、豪雨による鄭州工場への影響はないが、周辺の交通網が打撃を受けていると説明した。また22日には、鄭州工場は正常に生産を続けているとした上で、豪雨による被害や交通網の回復状況を引き続き注視すると表明した。

 経済日報によると、交通と物流が止まり、生産と販売が減少する可能性がある。鄭州工場は月産能力18万枚。12インチウエハーは1万枚、8インチウエハーは17万枚で、台湾工場の8インチウエハー生産能力30万~33万枚の約半分の規模だ。

 半導体の強い需要が続いていることから、業界関係者は、同業の▽環球晶円(グローバルウェーハズ、GWC)、▽台塑勝高科技(フォルモサ・サムコ・テクノロジー、台勝科、FST)──への転注もあり得ると予測した。

 一方、工作機械大手、友嘉集団(フェアフレンドグループ、FFG)は、鄭州工場の一部で漏水被害が出たが、生産に影響はなく、従業員は通常通り出勤していると指摘した。

総統府、見舞いコメント

 台湾の総統府の張惇涵・報道官は21日、河南省の鄭州市などの各地の豪雨被害で亡くなった人や遺族への哀悼の意を表し、蔡英文・総統も一日も早く被災地が通常の生活に戻れることを祈っているとの見舞いのコメントを伝えた。

 

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