ニュース 社会 作成日:2021年8月9日_記事番号:T00097665
軽度(弱い~並の強さ)の台風9号(アジア名・ルピート)が台湾海峡を通過し、南西からの湿った空気が流れ込んだ影響で、週末は中南部を中心に、豪雨に見舞われた。台湾高速鉄路(高鉄)の苗栗~台中駅間で7日、土砂崩れが発生し、正午から一時運行を見合わせたほか、高雄市桃源区では交通の要衝、明覇克露橋が崩落し、近隣の住民約500人が「陸の孤島」に取り残されるなど、交通網が打撃を受けた。交通部公路総局は、2009年の台風8号(アジア名・モーラコット)以降で最も深刻だと指摘した。9日付自由時報などが報じた。
高雄市茂林区では、川沿いの民家で腰の高さまで浸水した(7日=中央社)
7〜8日の雨量が最大だったのは屏東県の霧台郷佳暮村で、1,070ミリメートルを記録した。高雄市では、六亀区で6〜8日の雨量が1,090ミリに達した。茂林区では最大で1時間に110ミリの雨が降り、09年の台風8号以来で高雄市で最大の雨量を記録した。高雄市と屏東県の山間部では、民家が泥水に浸かるなどの被害が出て、住民計3,406人が避難した。中部の彰化県、雲林県などでも民家の浸水被害があった。
中央災害応変中心(中央災害対策センター)によると、7日午後10時時点での避難者は約4,300人に上った。
死者2人、行方不明1人
自由時報によると、高雄市岡山区で高齢者の女性が足を滑らせ、養殖池に転落して死亡した。また、台南市の安平港でジョギング中の3人が高波に遭い、うち1人が死亡、2人が負傷した。屏東県南州郷では、排水溝に落ちた男性1人が行方不明となっている。
高鉄代替バス、帰省客が行列
高鉄は7日、苗栗県通霄鎮で猛烈な雨が降った影響で、路線脇で幅20メートルに及ぶ土砂崩れが発生し、正午以降、苗栗~台中駅間の運行を見合わせた。シャトルバスによる代替輸送では、父親節(父の日、8月8日)の帰省客などの長い行列ができた。
苗栗~台中駅間は8日、始発から単線で双方向の運行を行い、ピーク時で5分以上、オフピーク時で3〜5分の遅れが出た。王国材・交通部長は、14日までの復旧を目指すが、天候次第だと説明した。
高雄市桃源区の明覇克露橋は7日午後1時半ごろ、泥水に押し流されて崩落した。17年4月に開通したばかりだった。
土砂崩れや明覇克露橋の崩落などの影響で、7日夜までに高雄市や苗栗県などの道路13カ所が通行止めとなった。
高鉄沿線での土砂崩れ発生時には、災害警告システムが作動し、幸い大きな事故にはつながらなかった(7日=中央社)
農水被害、2.4億元超に
行政院農業委員会の統計によると、9日午前11時までに分かっている農業、畜産業、漁業、林業の被害が2億4,336万台湾元(約9億6,400万円)に上った。県市別では雲林県が5,188万元と最大で、嘉義県、台南市、屏東県、南投県と続いた。
農作物ではパパイヤ、落花生などの被害が大きかった。屏東県では高屏渓の河口付近の堤防が決壊し、塩埔村の養殖池に大量の水が流れ込むなどの被害が出た。
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