ニュース 社会 作成日:2021年8月20日_記事番号:T00097903
南投県集集鎮の植物園、和平快楽田園では昨年、中国語で「粉紅愛情草(ピンク色をした愛の草)」などと呼ばれ、秋になるとピンク色の穂を出すススキに似た植物、ミューリーグラス(ピンクミューリー)を園内の広い範囲に植えた。すると「インスタ映えする」などと人気を呼び、大勢の市民が来園するようになった。しかし行政院農業委員会(農委会)は今年6月、この植物が台湾固有種の生育に影響を及ぼすとして有害植物にリストアップすることを決定。県政府を通じて除去を要請した。
実はピンクミューリーは米国原産で、学名は「ミューレンベルギア・カピラリス」といい、9~11月ごろになると、一斉にふわふわとしたピンク色の穂を出す。昨年のこの時期、和平快楽田園は一面、幻想的でロマンチックな光景に包まれ、カメラやスマートフォンを携えた大勢の来園者が訪れた。
しかし農委会・動植物防疫検疫局(防検局)は、ピンクミューリーは環境への適応力が高く、痩せた土地や乾燥、湿気など厳しい環境でも成長できるため、台湾固有の植物の生育を脅かし生態系の破壊につながる恐れがあるとして、高リスク外来種に認定。「植物防疫検疫法」に基づき、早ければ10月末に輸入を禁止することが決まった。
農委会は今月13日、南投県政府に対し、和平快楽田園のピンクミューリーを除去するよう通知した。これに対し園側は「有害植物に指定される前に植えており、強制除去は不公平」と反発している。
一方、防検局は、海外から植物や関連産品を台湾に持ち込む場合、輸入申請が必要となるが、過去5年間、ピンクミューリーの輸入に関する申請はないと指摘。現在台湾で生育しているものは、一部の市民が中国から種子を持ち帰ってきた可能性があるとの見方を示した。農委会も「ピンクミューリーは自由に流通させることが可能な一般の種苗商品ではない」と指摘し、同園に対する調査を県政府に指示した。
こうした状況を受けて南投県政府は、関連法が十分に整備されているとは言えず、また法の不遡及原則に則り、強制除去は当面行わず、業者側と話し合いを続けると説明した。
なお、世界の侵略的外来種ワースト100に選定されているツルヒヨドリは、台湾でも約20年の歳月をかけて駆除が続けられているが、未だ完全に姿を消すには至っていない。ピンクミューリーについても厳しい対応が求められそうだ。
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