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作成日:2008年8月27日_記事番号:T00009811
郭台銘や林志玲の電話まで、史上最悪のハッキング事件摘発
史上最悪のハッキング事件が刑事警察局によって摘発された。不正に盗み出された個人情報は5,000万件に上る。
犯行グループは郵便局のネットワークに侵入して預金を盗んだほか、健康保険局や通信事業者のホストコンピュータに侵入して個人情報を盗み出し、1件300台湾元(約1,050円)で売りさばいていた。盗まれた個人情報には、馬英九総統や陳水扁前総統、鴻海精密工業グループの郭台銘董事長、人気モデルの林志玲さんなど、政財界の大物から芸能人まで、あらゆる人物の家庭状況から診察歴、通話相手の記録などが含まれていた。
昨年4月、中華郵政のインターネット銀行の数十件の口座から預金300万円以上が盗まれたことが事件発覚の端緒だった。警察はIPアドレスなどから台北市龍江路沿いのアパートの1室を突き止め、コンピュータや口座、100万元以上の現金を押収、詐欺の前科を持つ陳光著(31)容疑者ら6人を逮捕した。盗んだデータの多さは警察も驚くほどで、ダウンロードに約4時間を要する「史上最大のデータバンク」だったという。
個人情報の購入希望者は犯人グループからゲームのポイント3万元分を購入してオンラインゲームに参戦、指定されたプレーヤーからデータベースのURLやパスワードを取得するシステムだった。情報検索は名前を入力するだけという手軽さで、1件につき300元分のポイントが引かれることになっていた。犯人グループは回収したポイントを他のプレーヤーに転売して発覚を防いでいた。
アジトのコンピュータに残された個人データはすべて中国から送られてきたコピーであることが判明しており、被害の拡大が懸念されている。