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作成日:2008年8月27日_記事番号:T00009814
資金洗浄疑惑、遠東集団から1150万米ドルか
陳水扁前総統をめぐるマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑で、最高検察署特別偵査組(特捜部)は、2002年に起きた太平洋そごうの経営権争いで遠東集団の徐旭東董事長が陳前総統サイドに1,150万米ドルを献金していたとの情報を入手し、捜査に着手したもようだ。27日付蘋果日報が伝えた。
検察は事実関係の確認を進めるとともに、資金が陳前総統一家の海外口座に流れたかどうかを調べる方針だ。献金説は蔡正元立法委員(国民党)が「某企業による送金」として暴露したが、その後、邱毅立法委員(同党)が徐董事長による送金だと名指しして指摘した。
このため、検察は海外口座に送金された資金が選挙資金の余りだとする陳前総統サイドの説明には疑問点が残るとの見方を強めている。
これについて、遠東集団は26日、「太平洋そごうの増資手続きは全て合法で、徐董事長が商品券や現金などを贈った事実はない」と否定する声明を発表した。
最高検は同日、告発を受け捜査に着手したことを認めた。徐董事長の献金が陳前総統の長男陳致中氏の日本の口座からスイスの偽装口座に送金されたとの情報もあり、捜査当局はこれまでに疑わしい口座の存在をつかんでいる。検察はこれまでに伝えられているシンガポール、スイス、英領ケイマン諸島に限らず、他国の口座にも捜査対象を広げ、陳前総統一家に絡む資金の流れの全容を解明する方針だ。