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台湾がCPTPP加盟申請、日本の協力が鍵(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2021年9月23日_記事番号:T00098524

台湾がCPTPP加盟申請、日本の協力が鍵(トップニュース)/台湾

 行政院は23日午前の記者会見で、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加盟を22日に正式に申請したと発表した。16日に加盟申請を発表した中国が先に加盟を果たした場合、中国が台湾の加盟を妨げるとの懸念から、申請を急いだとみられる。台湾の加盟には、加盟国で今年の議長国を務める日本の協力が鍵となる。日台間で貿易問題となっている、台湾政府が実施している福島第1原子力発電所周辺5県産食品の輸入停止措置を撤廃できるかどうかが成否を分けそうだ。

/date/2021/09/23/00cptpp_2.jpg鄧・政務委員は、台湾は主権国家だが、経済・貿易協定に参加する際は「台澎金馬単独関税領域」の名称を使用する方が、争いを最小化できると説明した(行政院提供)

 23日付自由時報などによると、台湾政府は、CPTPPの事務局の役割を担うニュージーランドに申請した。申請時の名称は、世界貿易機関(WTO)加盟などで使用している「台澎金馬単独関税領域」。ニュージーランドから、他の加盟国へ通知する。行政院の鄧振中・政務委員は、台湾の加盟までには加盟国との協議が必要で、スケジュールは見通せないと説明した。

 鄧・政務委員によると、台湾政府はこれまでも加盟の意向を加盟国に伝えてきた。台湾の貿易総額に占める加盟国の比率は24%を占める。

 中国の加盟申請に後追いするタイミングでの申請になったことについて問われた鄧・政務委員は、中国のスケジュールとは直接の関係はなく、日本がCPTPPの今年の議長国であるためだと説明した。日本とは関係が密接で、意見交換の機会が多いと指摘した。

 ただ鄧・政務委員は、各加盟国との協議の段階で、日本政府は台湾が停止措置を取っている福島第1原発周辺5県産食品の輸入の解禁を提示してくる見通しで、対応が必要だと語った。台湾政府は、市民の健康を最優先とし、科学的な根拠、国際基準を参考に解決策を模索すると述べた。

 台湾政府は、東日本大震災で福島第1原発事故が発生した2011年より周辺5県産食品の輸入を停止。18年11月の住民投票では、輸入停止措置の実施継続を問う議題が賛成多数で成立した。住民投票の効力は2年間で、20年11月24日に期限を迎えていた。

 一方で鄧・政務委員は、中国がCPTPPに先に加盟した場合、台湾の加盟は難しくなるとの指摘は認めた。ただ、台湾と中国の体制は異なり、台湾は完全な資本主義で、法律の透明性が高いと述べた。

 中央大学経済系の邱俊栄・教授は、中国は法律改正や国有企業、知的財産権の保護などの問題に対処しなければならず、台湾の方が早く加盟できる可能性が大きいとの見方を示した。

中国、強く反発

 中央社電が日本の報道を基に伝えたところによると、台湾のCPTPPの加盟申請について茂木敏充外相は23日、歓迎したいと語った。

 一方、蘋果日報電子版などが中国メディア「環球網」の報道を基に伝えたところによると、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮・報道官は、台湾が地域の経済協力に加入する場合は「一つの中国」の原則を前提とすることが必要だと強調した上で、中国と国交がある国と台湾地区との公式な協議に対して強く反対すると語った。

 

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