ニュース 社会 作成日:2021年9月23日_記事番号:T00098544
昨年末に惜しまれながら引退した台湾鉄路(台鉄)の青い車体カラーの列車「藍皮車」が、約1年半の修理を終え、観光列車「藍皮解憂号(気晴らし号)」として戻ってきた。10月23日より毎日、台鉄南廻線(南回り線)の枋寮駅〜台東駅を1往復する予定で、扇風機の風がそよぐレトロな車内から沿線の風景を楽しむことができる。
気晴らし号は、車内アナウンスがなく、冷房の代わりに、天井に取り付けられた昔ながらの扇風機や、台湾で唯一の上下に開閉する車窓、緑色の椅子、そして観賞用として「骨董級」の循環式トイレが備え付けられている。もちろん実際に使用できるトイレも別途設置されている。
車内の設備は古過ぎて部品の交換ができないものも多かったが、できる限り修復した(22日=中央社)
南廻線は、▽台湾最南端の枋山駅(屏東県獅子郷)、▽通常乗降できない信号場を兼ねた秘境駅、枋野駅(屏東県獅子郷)、▽美しいトンネルがある金崙駅(台東県太麻里郷)、▽台湾で最も美しいと称される多良駅(台東県太麻里郷)──など、特色ある駅や無人駅が多数ある。太麻里駅は、日本の鎌倉と同様、踏切と列車、海岸線を一度に写真に収められる、台湾版「スラムダンク踏切」のインスタ映えスポットで有名だ。手動でドアを開け閉めし、下車、散策できる。
藍皮車は、昨年末に台鉄南迴線の全線電化に伴い役目を終えたものの、引退を惜しむ声が多かったことから修理し、復活することになった。台湾鉄路管理局(台鉄局)によると、総額6,600万台湾元(約2億6,000万円)を投じて13両を修理し、既に3両を納車。10月末までに8両を納車し、今年末には全ての納車を終える予定だ。
古い列車を修理することは並大抵のことではない。台鉄高雄機械工場の謝進崑・工場長は、改善ではなく、復元する作業が困難だったと話す。外観を復元するために、長年蓄積された土などの汚れを徹底的に削り取る必要があった。さらに、多くの人の心に残っている「孔雀藍(ピーコックブルー)」の青色ではなく、藍皮車本来の「浪漫藍(ロマンチックブルー)」の青色に再塗装するのに、2カ月近くかかった。
貴重な列車を傷つけないよう、細心の注意を払って塗装作業が行われた(22日=中央社)
乗車券セットやツアーを独占販売する旅行会社最大手、雄獅旅行社(ライオン・トラベル・サービス)によると、記念切符やガイドなどが付いて、1人299元から。レトロな列車でのおよそ3時間の行程は、心地よい風に吹かれ、新型コロナウイルス感染症流行で外出自粛していた気晴らしができそうだ。
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