ニュース 自動車・二輪車 作成日:2021年9月30日_記事番号:T00098668
トヨタ自動車の台湾総代理店、和泰汽車の蘇純興・総経理は29日、物流料金、人件費、半導体や各種材料の価格など自動車製造コストの大幅上昇がメーカーの限界を超えていると指摘した上で、トヨタから値上げ検討を求められており、新年度モデルの発売を待たずに、値上げする可能性があると語った。同業他社の追随値上げや、値上げ前の駆け込み需要が起こりそうだ。蘇・総経理は、台湾新車市場全体の2021年販売台数予測を45万台へと、従来予測の44万台から引き上げた。30日付経済日報などが報じた。
蘇・総経理は、最近はトヨタから供給台数減少の連絡が多く、毎週調整していると述べた(和泰汽車リリースより)
和泰汽車は、これまでは販売戦略上、値上げしないとトヨタを説得してきたが、今年は新型コロナウイルス感染症流行のサプライチェーンへの影響、製造コストの大幅上昇で、トヨタの値上げの意志が固いと説明した。
蘇・総経理は、21年販売台数予測を45万台へと引き上げたのは、自動車市場の回復と、台湾株式市場の予想以上の好調が要因と説明した。新型コロナ防疫レベルが第2段階(レベル2)へと引き下げられ、これまで抑制されてきた新車購入意欲が爆発的に回復しているほか、防疫対策としての新車購入需要が拡大し、下半期の自動車市場をけん引していると分析した。今後は、新車の供給不足や値上げが予想され、消費者の駆け込み需要が見込まれると指摘した。
一方で蘇・総経理は、和泰汽車の21年販売台数目標は15万4,000台と、年初に設定した目標を据え置くと説明した。トヨタが東南アジアの新型コロナ感染拡大、車載用半導体の供給不足などを理由に3〜4割減産するとしており、和泰汽車はこれ以上販売台数を増やすことができないと述べた。
和泰汽車は先ごろ、台湾での自動車の在庫減少やトヨタの減産を理由に、5月から行っている販促キャンペーンを9月末で中止することを決定している。
レクサス初BEV、台湾発表
和泰汽車は同日、レクサス初のバッテリー式電動自動車(BEV)「UX300e」を発表した。価格は169万9,000台湾元(約680万円)と、高級車のBEVモデルでは最も安い。初年度の割り当て台数は200万台。
レクサスブランドからは、第4四半期にプラグインハイブリッド車(PHEV)「RX450h+」、スポーツ用多目的車(SUV)「NX」を発売する予定だ。和泰汽車は、レクサスの販売は好調で、21年販売台数は2万3,000台に達する勢いだが、供給不足で年初目標の2万1,000台の達成にとどまるとみている。
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