ニュース 電子 作成日:2021年10月5日_記事番号:T00098757
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)・董事長は今月初めに応じた米ニュース誌「タイム」のインタビューで、車載用半導体が供給不足となり、米国などで自動車を減産している問題について、サプライチェーンのどこかで買いだめが起きていると指摘した。車載用半導体の出荷量は、搭載製品より多く、買いだめは確実と語った。劉・董事長が買いだめを指摘したのは初めて。5日付経済日報などが報じた。
劉・董事長は、データポイントを複数の方法で検証(トライアンギュレーション)し、顧客の実際の需要を把握している中で、買いだめを確信したと説明した。通常行わないデータのトライアンギュレーションを行っているのは、どの顧客が本当にチップを必要としており、どの顧客が買いだめを行っているかを把握するためで、重要顧客でも差し迫っていない受注は出荷を延期しなければならないと語った。顧客は不満かもしれないが、業界にとっての最善策を取ると述べた。
業界では、特に中国市場の商社の買いだめが確実とみられている。TSMCが値上げを発表したのも、需要を抑制する目的と受け止められている。
業界関係者は、劉・董事長が買いだめに言及したのは、TSMCが増産に尽力しているのに、努力していないと後ろ指を指されるためだと指摘した。
TSMCは5月時点で、今年の車載用マイクロコントローラー(MCU)の生産量を前年比60%拡大すると発表した。米国政府が9月23日に自動車大手や半導体メーカーなどを招集して開催したオンライン会合の後もTSMCは、サプライチェーンと協力し、半導体の供給不足問題に取り組むと表明した。
米国工場、建設コスト膨らむ
米アリゾナ州フェニックス市での新工場建設について劉・董事長はインタビューで、顧客の背後に政治的な思惑があると漏らした。新工場建設のコストはTSMCの予想をはるかに上回り、従来の設備投資計画の3年で1,000億米ドルでは足りなくなってきていると語った。
劉・董事長は、半導体の現地生産化は、サプライチェーンの柔軟性を向上させず、低下させる可能性があると再度指摘した。
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