ニュース 電子 作成日:2021年11月3日_記事番号:T00099300
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)傘下の世界先進積体電路(VIS)の方略・董事長は2日の業績説明会で、12インチウエハー工場の新設を真剣に検討していると発言した。タイムスケジュールはない。建設地は、TSMCが新工場を設置する計画とみられている高雄市楠梓区となりそうだ。3日付電子時報などが報じた。
方・董事長は、半導体の力強い需要に応えるため、生産能力を拡充するにも、8インチの設備は価格が上昇し、取得が困難と指摘した。VISが手掛けている製品は主に、▽大型パネル向けドライバIC、▽ウエアラブル(装着型)デバイス用小型パネル向けドライバIC、▽電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)、▽個別半導体(ディスクリートデバイス)──で、需要が見込めることから、今後5〜10年も8インチ工場での生産を継続する。
VISは8インチ工場を4基保有しており、うち台湾3基、シンガポール1基で、2020年の年産能力は290万枚だった。かつても12インチ工場新設を計画したが、18年8月に計画中止を表明していた。
これまでの報道によると、TSMCは台湾中油(中油、CPC)の高雄市楠梓区の高雄製油所跡地に12インチ工場2基を建設し、25年にも量産を開始する予定だ。第1期は7ナノ、6ナノメートル製造プロセスで月産能力4万枚、第2期は28ナノ、22ナノプロセスで月産能力2万枚とみられている。
GaN半導体、近く設計完了
VISは、今年上半期に第3世代半導体の窒化ガリウム(GaN)製品のサンプルが顧客のテストを通過し、数社の製品が11月~22年初めにテープアウト(設計完了)する予定だと説明した。来年下半期にも量産する見通しだ。
方・董事長は、第3世代半導体は今後20〜30年の需要が見込めるが、すぐには売上高に大きく貢献しないと述べた。
Q3粗利益率45%に
VISが2日発表した第3四半期純利益は前期比26.4%増、前年同期の2.15倍の32億8,800万台湾元(約130億円)で、初めて30億元台に乗った。連結売上高は前期比17%増の118億7,800万元。粗利益率は4.9ポイント上昇し45.8%と、過去最高を更新した。
VISは、第4四半期連結売上高の着地点は前期比3.6〜6.9%増の123億〜127億元、粗利益率は45.5~47.5%と予測した。第4四半期はフル稼働が続き、22年上半期も高い稼働率が続くと見込む。
新工場の稼働や増産に伴い、22年の生産能力は前年比7〜9%増と予想した。
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