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遠東集団が中国で巨額罰金、政治的圧力か(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2021年11月23日_記事番号:T00099671

遠東集団が中国で巨額罰金、政治的圧力か(トップニュース)/台湾

 中国国営の新華社通信が22日報じたところによると、遠東集団(ファーイースタングループ)の化学繊維、セメントの中国事業会社が、現地当局から環境保護、用地利用などの違法行為を理由に罰金などの処分を受けた。罰金額は合計で8,862万人民元(約16億円)。中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮・報道官は同日夜の記者会見で遠東集団の罰金処分について質問され、台湾独立勢力を支持する企業が、中国で金を稼ぐことは絶対に許さないと発言した。台湾の蔡英文・政権が欧米などと関係を強化する中で、中国が台商(海外で事業展開する台湾系企業)に対して政治的圧力を強めたものとみられている。23日付経済日報などが報じた。

/date/2021/11/23/00wang_2.jpg王・経済部長は、状況を把握し、遠東集団への協力が必要か確認すると説明した(22日=中央社)

 新華社通信によると、遠東集団傘下の化学繊維大手、遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)と、セメント大手、亜洲水泥(アジアセメント、ACC)の中国事業会社に対し、▽上海市、▽江蘇省、▽江西省、▽湖北省、▽四川省──で当局による検査が実施され、▽環境保護、▽用地利用、▽従業員の健康、▽安全な生産、▽消防、▽製品の品質と量──の分野で違法行為があった。法律に基づき、罰金や追徴課税、期限内の改善、遊休地の返還を求められた。経済日報によると、中国当局が台商に対し、複数の省や分野で検査を実施することは異例だ。

 遠東新世紀によると、今年第2四半期に当局による検査を受け、規定に則していなかった部分が若干あり、罰金3,650万人民元を科され、期限内の改善を求められた。98%は改善済みで、残り2%は年内に改善を完了する予定だ。

 アジアセメントは、中国事業会社の亜洲水泥(中国)控股の子会社に対し、5,212万人民元の罰金を科された。

 遠東新世紀とアジアセメントは同日、罰金処分などが、財務や事業に重大な影響を及ぼすことはないと強調した。

民進党への政治献金で処罰か

 監察院の公開情報によると、遠東集団は、2016年の立法委員選挙、18年の統一地方選挙で、与党民進党や野党国民党、小規模政党に政治献金を実施している。

 国台弁の朱・報道官は記者会見で、中国に投資する台湾企業は、台湾独立勢力と一線を画し、実際の行動によって両岸(中台)関係の平和的な発展を維持していく必要があると述べた。「頑固な台湾独立分子」と、その関連企業や資金援助者は法律に則り処罰するとした。

 朱・報道官は5日に、台湾の蘇貞昌・行政院長、游錫堃・立法院長、呉釗燮・外交部長を「頑固な台湾独立分子」とし、制裁対象に含めると表明していた。

「中国投資意欲に影響なし」

 中国当局による遠東集団への罰金処分について、台湾経済部の王美花・経済部長は同日の立法院の答弁で、詳細な状況が分からないため、中国による台湾企業への圧力と判断できないとした。

 中華民国工商協進会(CNAIC)の林伯豊・理事長は、個別の案件であり、台商の中国投資意欲には影響を与えないと指摘した。

 

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