リサーチ 経営 マーケティング 作成日:2023年6月21日
機械業界 自動車・二輪車記事番号:T00109634
一、産業概況
1.自動車完成車産業
自動車完成車産業の2023年第1四半期(1~3月)の生産額は前期比12.2%減、前年同期比6%増の418億5000万台湾元だった。非需要期だったものの、台湾生産車の値上げ前の駆け込み需要があったほか、台湾生産車の部品不足緩和、新車発売も貢献した。
2.自動車部品産業
自動車部品産業の23年第1四半期の生産額は前期比2.2%減、前年同期比7%増の631億3000万元だった。輸出シーズンで中古車向けの安定したアフターマーケット(AM)需要が見られた。また、主要輸出相手国での雪による事故増加で外装用部品(ライト、バンパー、バックミラーなど)の需要が拡大した。
3.バイク産業
バイク産業の23年第1四半期の生産額は前期比17.8%減、前年同期比7.3%増の133億6000万元だった。メーカー各社の新車キャンペーンや、大手メーカーによる6万~7万元の低価格モデル発売で需要が拡大した。一方、▽台湾経済の鈍化、▽少子化、▽メーカーの値下げが生産額の押し下げ要因となった。
4.電動車両産業
電動車両産業の23年第1四半期の生産額は前期比42.6%減、前年同期比11%減の51億9000万元だった。うち、電気自動車(EV)産業は前期比43.5%減、前年同期比14.3%減の39億2000万元だった。EV世界最大手、テスラの値下げで台湾生産EVの販売が落ち込んだ。
電動バイク産業の23年第1四半期の生産額は39.4%減の12億8000万元だった。電動バイク購入補助や中古バイク買い替え補助という追い風はあったものの、電動バイクメーカーの値下げが響いた。電動バイクの価格はガソリンバイクに近付き、市場シェアは上昇した。
二、企業動向
1.南陽実業・中華汽車が台湾生産車など強化
韓国の現代自動車(ヒョンデ・モーター)の台湾総代理店、南陽実業は23年3月7日、台湾生産車、輸入車、EVの新車を毎年各1モデル発売すると発表した。ヒョンデ車の台湾での22年販売台数は前年比15%増の1万5000台以上だった。23年第2四半期(4~6月)には台湾生産スポーツ用多目的車(SUV)「ツーソンL」のハイブリッド車(HV)を発売する予定だ。
英MGの総代理店を担う中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)子会社の台湾英倫摩里斯汽車事業(MGモーター台湾)は23年3月8日、MGの台湾生産SUVの旗艦モデル「HS 2.0T AWD」を発売した。6月から納車する予定。今後は台湾市場にMGの新車を毎年1モデル導入する方針だ。中華汽車は自社、三菱、MGの3ブランドを手掛け、月間販売台数は平均3000台。MG車の販売強化で4000台まで引き上げる計画で、中華汽車の生産規模拡大、設備稼働率向上につながる見通しだ。
トヨタ自動車の台湾総代理店、和泰汽車は23年3月11日、彰化県渓州郷で商用車用の車体工場の稼働を開始した。和泰汽車が販売するトヨタの小型商用車「タウンエース」や、日野自動車の5トントラックなどの車体や荷台を製造する。新車の検査ラインも設けており、販売ディーラーが監理所に新車を持ち込んで検査を受ける手間を簡略できるため、商用車販売の利便性、競争力向上につながる見込みだ。
2.鴻海傘下のFIT、独ワイヤーハーネス社を買収
鴻海精密工業傘下でコネクタなど電子部品を手掛ける鴻騰精密科技(FIT)は23年1月、ドイツのワイヤーハーネス(自動車用組電線)メーカー、PRETTL SWHグループの全株式を、最大1億9160万ユーロで取得すると発表した。電気自動車(EV)用部品事業の強化が目的だ。
PRETTL SWHグループは高級車向けのワイヤーハーネスなどを手掛けており、従来型の自動車メーカーや新興のEVメーカーを顧客に持つ。安定した受注で業績を年々伸ばしており、FITの売上高に年間約3億5000万~4億ユーロをもたらす見込みだ。今後は▽公共交通機関、▽農業、▽充電、▽再生可能エネルギーなどの分野へも参入する。
鴻海はPRETTL SWHグループの買収により、欧州事業を強化し、EV用部品の▽製造、▽販売、▽技術分野での世界展開を拡大できる。鴻海は現在、▽中国、▽タイ、▽インドネシア、▽米国などに組み立て工場を持つ。
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