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2023年台湾産業用ロボット・部品メーカーの競争力現状


リサーチ 経営 マーケティング 台湾事情 作成日:2023年11月23日

機械業界 自動化・ロボット

2023年台湾産業用ロボット・部品メーカーの競争力現状

記事番号:T00112343

1.単軸ロボット
 単軸ロボットは主に▽半導体、▽家電、▽医療、▽自動車、▽包装、▽接着剤塗布、▽はんだ付け、▽切断、▽検査などの分野で使用されている。2023年は世界経済の減速、電子業界など製造業の在庫調整により需要が減少したものの、台湾メーカーは単軸ロボットの分野で優位性を保っており、東佑達自動化科技(TOYO)は世界シェア2位、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)は3位だ。
 
2.直角座標ロボット
 直角座標ロボットの分野では、台湾の企業40社以上が関連設備の設計、研究開発(R&D)を手掛けており、使用する重要部品の域内自給率は高い。天行自動化機械(アルファ・オート・マシナリー)や台湾精鋭科技(APEXダイナミックス)が直角座標ロボットの大手メーカーで、中国でも一定のシェアを誇る。
 
3.水平多関節ロボット
 水平多関節ロボット(スカラロボット)は主に3C(コンピューター、通信、家電)向けで使用されている。23年は電子業界の在庫調整により販売台数が減少し、台湾メーカーの間で価格競争が激化したものの、価格が下落したことで24年は普及率の向上が期待できる。

4.高速多関節ロボット
 高速多関節ロボット(デルタロボット)は主に海外の大手メーカーが供給しており、台湾メーカーの競争力は低い。市場調査会社、アイマーク・グループの予測によると、高速多関節ロボットの市場規模は28年に14億3600万米ドルに達し、23~28年の年平均成長率(CAGR)は8.91%となる見通しだ。
 台湾メーカーは幅広い産業で使用されている多関節ロボットの分野で競争力が低い。主な顧客は電子産業や従来型製造業のメーカーだ。鴻海精密工業が生産する多関節ロボットは主にグループ内部で使用されている。台湾の多関節ロボットメーカー各社は急成長する電気自動車(EV)市場の開拓を進めている。

5.協調ロボット
 台湾では23年も、人と共に作業できる協働ロボット(協調ロボット)の力強い需要拡大が続いた。協働ロボット世界2位の達明機器人(テックマン・ロボット)は、台湾の半導体メーカー向けシェア80~90%を誇る。新漢智能系統(ネクスAIoT)は▽米半導体大手、インテル、▽サーボモーターや安全出力モジュールを手掛ける独シナプティコン、▽ドイツ最大の研究機関、フラウンホーファー研究機構と共同で、世界初となる「x86」アーキテクチャーの協調ロボットを開発し、台湾、中国で10年分の受注を獲得した。

6.減速機
 波動歯車減速機は6軸ロボットアームの重要部品だ。台湾ではハイウィンが波動歯車減速機の研究開発(R&D)を進め、量産段階に入っており、産業用ロボットのコスト削減、価格競争力の向上につながる見込みだ。
 RV(ロータリーベクトル)減速機の分野では、台湾メーカーの競争力は海外の大手メーカーより低い。ただ、RV減速機の量産を手掛ける利茗機械(LIMINGマシナリー)は▽技術、▽品質、▽納期などの面で定評があり、海外企業からの受注獲得に成功している。 

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