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【ワイズリサーチ】台湾輸送機器産業の輸出入市場


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2013年10月24日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾輸送機器産業の輸出入市場

記事番号:T00062517

一.2013年1月~5月、台湾輸送機器産業の輸入額は前年同期比で小幅ながら増加、一方で輸出額は減少した。下半期、輸入額は成長が見込まれるものの、輸出額は減少傾向が続く恐れがある。

 13年上半期、台湾自動車市場全体の販売額は減少したものの、円安による日本車の値下げと、それを受けて他国の輸入車もシェア維持のため揃って値下げしたことにより、当期の自動車製造業の輸入額は、昨年同期比7.22%増の366.18億台湾元となった。しかし自動車部品及び車体製造業は、台湾における自動車の生産台数減を受けて関連部品の輸入需要が縮小、輸入額は昨年同期比17.12%減の231.79億台湾元だった。その他の輸送機器産業では、オートバイ及び部品産業と自転車及び部品産業の輸入額はそれぞれ前年同期比7.04%減、7.04%減であった。一方、造船及びその他輸送機器業界では航空会社が発注していた航空機体の納品が完了したことにより、輸入額は昨年€同期比25.66%増と成長した。

 輸送機器の関連産業でほぼいずれも輸入額が減少したものの、造船及びその他輸送機器業界の輸入額増加を受けて、当期輸入総額は933.56億台湾元、前年同期比1.37%増の小幅成長となった(表1参照)。下半期には自動車製造業の成長が見込まれることから、当業界の輸出額はプラス成長する見通しである。



 一方、輸出額については、日本自動車メーカーが中東地域からの受注製品の製造を継続して台湾メーカーに委託していることが好影響をもたらし、台湾自動車製造業の当期輸出額は前年同期比8.18%増の133.29億台湾元となった。また、自動車部品及び車体製造業は、米国市場での需要増加の恩恵を受けて対米国輸出額が成長した一方、日中関係の悪化により中国にある日本車製造工場からの台湾製自動車部品の需要が縮小していること、さらに円安のため日本自動車メーカーからの台湾製自動車部品の調達量も減少していることなどから、前年同期比0.83%減の610.47億台湾元にとどまった。さらにオートバイ及び部品業界と自転車及び部品業界は、欧州市場の需要不振からそれぞれ6.53%減、7.04%減と落ち込んだ。造船およびその他輸送機器業界は、台湾製船舶の出荷減によって輸出額は前年同期比12.18%減の173.66億台湾元となった。

 当産業の輸出額は自動車製造業を除いて減少しており、当期輸出総額は前年同期比 3.54%減の1453.54億台湾元であった。自動車製造業においても、今後日本円の大幅切り下げが日本自動車メーカーからの受注減につながる恐れもある。台湾区自動車工業同業公会の資料によれば、13年6月期、国瑞汽車の自動車輸出額はすでに減少傾向をみせている。このまま円安が続いた場合、今年下半期における台湾自動車製造業の輸出額に悪影響を及ぼす可能性がある。さらにオートバイ及び自転車は、欧州の経済不振と消費低迷がマイナス材料となって輸出額が減少するとみられる。今年下半期における当業界の輸出額は前半期の衰退傾向が継続する見通しだ。


二.2013年1月~5月、主要輸出相手国である米国、中国、サウジアラビア向け輸出額は成長、一方で日本、ドイツ向け輸出額は減少した。

 当産業の輸出相手国上位5カ国は米国、中国、日本、サウジアラビア、ドイツでこの5か国向け輸出総額は輸出額全体の52.77%を占めている。2013年1月~5月は対米国、中国、サウジアラビアの輸出額は成長した一方で、対日本、ドイツの輸出額は減少した。

 米国市場では経済状況の好転を受けて自動車販売台数が増加、自動車部品の需要拡大につながった。しかしオートバイ部品の受注は減少したことから、当期の対米国輸出額は前年同期比3.50%増の400.16億台湾元にとどまり成長が減速している。中国市場では、台湾製自動車部品の調達量は減少したものの、台湾製自動車とオートバイ部品に対する需要が増加したことから、対中国輸出額は前年同期比4.79%増と成長した。また、日本自動車メーカーは中東から受注した製品を台湾で委託製造していることから、対サウジアラビア輸出額が7.63%増加した。また日本とドイツ向け輸出額は、自動車部品の受注が減少したためそれぞれ11.26%減、11.64%減と落ち込んでいる(表2参照)。

三.2013年1月~5月、主要輸入相手国である日本、ドイツからの輸入額は減少、米国、中国、フランスからの輸出額は増加した。

 当産業の輸入相手国上位5カ国は日本、ドイツ、中国、米国、フランスで、この5カ国からの輸入総額が輸入額全体の79.69%を占めている。円安による日本車の需要が増加する一方で、台湾における自動車生産台数が減少したことを受けて自動車部品の輸入が減少したことから、日本からの輸入額は前年比9.53%減となった。さらに円安がドイツ製自動車の購買意欲にも影響したため、ドイツからの輸入額は前年同期比5.57%減となった。一方、米国からの輸入額は大排気量車の需要拡大によって43.74%増、中国とフランスからの輸入額もそれぞれ1.41%増、9.03%増と成長した(表3参照)。

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