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【ワイズリサーチ】台湾半導体製造装置業界の現状と課題


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2013年10月31日

機械業界 電子・半導体

【ワイズリサーチ】台湾半導体製造装置業界の現状と課題

記事番号:T00062521

序言
 2012年、台湾と韓国を除く半導体製造装置生産国のうち上位七カ国は、設備関係支出を10%以上も削減し、世界全体における半導体製造装置の売上高は12%縮小した。台湾は▽TSMC(台湾積體電路)の資本的支出増▽大手半導体パッケージメーカーの外部委託増——の恩恵を受け、96億米ドルの設備投資支出額を記録し、北米を抜いて世界最大の半導体製造装置市場となった。

台湾半導体製造装置業界の現状と課題
 IC設計、ウエハー製造、ICパッケージング・テストを含む三次元集積回路(3D−IC)技術が進歩しており、2014〜2015年に量産が始まり、関連活用も活発になる見通しである。TSV(Si貫通電極)加工のリソグラフィーについて、宏濂科技がアライナーとステッパー、億力鑫系統科技がコーター、Ultratech(ウルトラテック)がリソグラフィー装置を開発している。研削工程の主要装置であるウエハー接合装置について、志聖科技は既にベーキング処理、リフロー処理、自動ラミネーターに関する開発で成果を出している。業者は政府の支援を受け、末端製品メーカー/製造装置メーカー/学術機構などと提携し、製造プロセスと装置改善に関する研究開発をしていかなければならない。前端の半導体製造装置に関して、国外大手メーカーの製造力と比べれば、台湾業者にはまだ改善の余地があり、前端製造装置の部品・消耗品の自給率を向上させることが急務である。コストおよびサービスの効率を考慮して、ウェーハメーカーもすでにこの件を認めている。

 TSMCも現在、全力でサプライヤーにローカル化を促進させており、サプライヤー製品の50%を国産品で占めることを目標としている。台湾の前端半導体製造装置メーカーは、ウェーハメーカーの外部委託を通じて技術力を培い、完成機の製造を目指すのも選択肢の一つである。

 末端の半導体製造装置に関して、日月光半導体、矽品精密工業(SPIL)を含む台湾の半導体試験装置メーカーは、機械設備のローカル化への受容性がかなり高いが、ワイヤーなど重要製造プロセスは高精度の機械が必要であるため、台湾製品はまずその基準を満たさない限り、国外業者と競合することはできない。なお、台湾業者は未だ機械装置のキーコンポーネントを把握しきれていない。例を挙げれば、レーザーマーカー製造の国産化率は八割を上回るが、そのキーコンポーネントであるレーザーヘッドは未だ国外から輸入されていることから、台湾業者は熟練した技術を持つものの、キーコンポーネントの技術は国外業者に握られていることがわかる。そのため台湾半導体試験装置メーカーは重要な機械および部品の製造力を強化していくことが課題である。


結論
 台湾半導体産業をよりに活発に発展させるには、製造装置産業を同時に成長させることも非常に重要である。競合相手である韓国も国産製造装置業界を発展させることの重要性を認識し、政府・学界・業界の力を集結させ積極的に自給率の向上を図っている。元々の優位性を発揮して、再び状況を好転させるには、台湾は国産化の必要性を認識し、自国の半導体製造装置業者の開発力と技術力を迅速に培い、川下・川上業者の垂直統合を促進させるべきである。並びに、政府と学術機構も▽川下・川上業者の垂直統合▽ハイエンド機種の開発——に協力するべきである。なお、国産半導体製造装置の採用を促進させるには、税金減免やほかの優遇措置などを実施すべきである。

 図1は2009〜2013年における台湾半導体製造装置の自給率推移を示している。半導体製造装置の自給率は2006年の6%から2012年の15.1%に上昇しており、2013年には15.6%に達する見通しである。企業規模に関して国外大手メーカーとの間に大差がある台湾メーカーを、国際競争力を持つ半導体製造装置メーカーにまで成長させるには、業界と学界の資源を集め、主要装置および部品を早急に開発していかなければいけない。そうすれば、半導体製造装置と消耗品の自給率が年々増加し、最終製品の競争力が向上、業界の次世代への進化にも繋がるであろう。

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