【ワイズリサーチ】金属手動工具業界の現状と展望


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2013年12月26日

機械業界 手動工具

【ワイズリサーチ】金属手動工具業界の現状と展望

記事番号:T00062555

一.運営現状

1.2013年における金属手動工具業界に対する川下産業の需要は旺盛であり、インテリジェント手動工具および統合型手動工具の出荷量が増加して、当業界の売上高は12年比小幅ながら成長する見通しである。

 以下は表1を参照して台湾金属手動工具業界を分析する。2012年の欧州債務問題により当業界に対する欧州からの需要は低落していたが、世界中の▽自動車アフターマーケット▽メンテナンス▽手動工具——需要は成長していたほか、 世界大手メーカーからのOEM(相手ブランド名製造)需要が強く、インテリジェント手動工具の出荷割合が増えていたため、当業界の生産額は11年比1.35%増の648.33億台湾元で、売上高は同0.42%増の682.84億台湾元に小幅成長した。

 2013年上半期に成長していた中国、米国、日本の自動車業界は、当業界に対する自動車アフターマーケットとDIYの需要を引き上げたほか、インテリジェント手動工具および統合型手動工具の出荷量も引き続き上昇して、13年1〜9月における当業界の生産額は12年同期比3.80%増となる506.15億台湾元で、売上高は同2.93%増の529.12億台湾元に小幅成長した。

 世界自動車業界の成長は関連市場の需要を押し上げているほか、当業界の主要輸出先である欧州の経済が好転し、米国の経済も回復していることが当業界の輸出に有利に働いて、13年第4四半期における当業界の生産額と売上高は、12年同期と比べて小幅に成長するものと見られる。川下産業からの強い需要およびインテリジェント手動工具と統合型手動工具の出荷増加により、今年当業界の売上高は12年比小幅ながら成長する見通しである。

2.中国との価格競争および粗鋼の価格修正に影響され、2013年に当業界のジャックとメタルロック製品の見積価格は変動する恐れがある。

 図1に当業界のジャックとメタルロック製品の見積価格の推移が示されている。中国手道工具業界は技術力の強化に伴い生産力と品質が向上し、輸出量も著しく増加したため、台湾製ジャックが受ける競争圧力が強まり、見積価格が徐々に下落しているほか、欧州の経済不振と粗鋼の価格修正の影響を受けて、13年前3四半期におけるジャックの見積価格は12年と比べて小幅に減少した。



 電子ロックや多用途ロックなどのニッチ製品は出荷増となっており、さらに東隆五金など台湾主要業者はOEM受注が好調であるほか、輸出製品の等級が上がったことによって平均輸出価格が上昇し、メタルロック製品の平均見積価格は高い水準を維持している。13年前3四半期における、台湾業者へのメタルロック製品のOEM発注は引き続き好調であるが、▽中国との低価格競争▽粗鋼の価格修正▽12年同期の長い基準期間——により、メタルロック製品の見積価格は、12年と比べて小幅ながら減少した。なお、経済部のデータによれば、13年Q3におけるジャックの平均価格は、12年同期比3.36%減の1,150台湾元で、メタルロック製品は同5.66%減の90.48台湾元である。

3.世界中の自動車AMおよびDIY需要が強まっているほか、インテリジェント手動工具の出荷増加により、2013年前3四半期の力肯実業と車王電子を含む関係業者の営業利益及び収益は12年より増加した。


 当業界は輸出指向の産業であり、輸出額は総売上高の65%以上を占めており、輸出経由は主に世界大手企業のOEMと欧米市場の販路である。表2は当業界主要業者の運営概況である。13年前3四半期における世界自動車業界の成長は、AMとDIYの需要を押し上げたほか、インテリジェント手動工具と統合型手動工具の出荷増加により、生産ラインの問題で減少した正峰新能源を除き、当業界主要業者の営業利益はすべて12年同期比成長を記録して、そのうち力肯実業は高付加価値製品の出荷増加により連結売上高が大幅に増加した。

 2013年前3四半期における各業者の売上総利益と当期純利益は、▽粗鋼の価格修正による生産コストの削減▽増加した高付加価値製品の出荷割合▽世界大手メーカーからのOEM発注の増加——により、12年同期比成長を記録した。そのうち、力肯実業はニッチ製品の出荷割合が増加したことで売上総利益が著しく増加して黒字転換を果たした。並びに、車王電子は世界自動車生産台数の増加によるカーエレクトロニクス販売好調の恩恵を受けて、売上総利益と当期純利益が12年同期を上回った。それに対して、正峰新能源は運営不調により、連結売上総利益率が低下して赤字が拡大した。

 2013年第4四半期は予想を上回る世界経済の回復によって金属手動工具に対する欧米消費者の購入意欲が高まり、当業界の輸出額を押し上げる可能性がある。従って、13年Q4における当業界の主要業者の連結売上高は12年同期から成長する見通しである。並びに、13年Q4の主要業者の売上総利益と当期純利益は、粗鋼の値上げと収益回復により、正峰新能源を除く全ての企業が12年同期より増加する見通しである。

二.業界動向

 川下産業の需要が強まっているほか、インテリジェント手動工具と統合型手動工具のOEM受注が増加して、2013年における当業界の対欧州・米国・中国輸出の割合は上昇すると見られ、当業界の売上高と輸出額は12年を上回る見込みである。

 図2には台湾金属手動工具の主要輸出相手国の推移である。金融市場混乱および欧州債務危機の影響を受け、当業界の対欧州輸出は後退していたが、2013年前3四半期はドイツなど主要国の自動車生産台数の増加に伴ってメンテナンス市場の需要が拡大したほか、欧州大手工具メーカーと販売業者からOEM発注が増加して、当業界の対欧州輸出額は小幅ながら成長して、輸出割合も33.46%増に上昇した。並びに、2011年以来米国は経済回復によって、DIYとAMの需要が強まっているため、当業界の対米国輸出は安定し、13年前3四半期の対米国輸出の割合は27.30%である。欧米の大手工具メーカーは良質で低価格の製品提供者を探している上に、台湾業者が積極的に開発しているインテリジェント手動工具と統合型手動工具は、欧米大手メーカーから発注の取得に有利に働くため、当業界の対欧米輸出は総輸出額の60%ほどを維持しており、2013年にも欧米市場は当業界の主要輸出相手である。

 また、当業界の対日本輸出は総輸出額のおよそ5〜6%を占めており、2013年前3四半期は日本の経済回復と自動車業界の比較的高い需要により、対日本輸出は5.61%になった。そして、2013年前3四半期の対中国輸出額はインテリジェント手動工具などのミドル/ハイエンド製品の輸出割合の上昇によっておおよそ10%増加して、総輸出額の10.37%を占めるになった。なお、2012年以前は東南アジアの経済成長によるDIY市場と川下業者の需要増加によって、当業界の対東南アジア諸国聯合(ASEAN)輸出割合は緩やかに成長していたが、2013年前3四半期には中国の低価格競争が激しさを増し、対ASEAN輸出額は小幅ながら減少して、総輸出額に占める割合も5.40%に下落した。全体から見て、世界中AMおよびDIY需要の増加、および当業界のインテリジェント手動工具と統合型手動工具の出荷増加により、2013年に欧州・米国・中国など当業界の主要輸出相手国への輸出割合が増加して、売上高と輸出額は12年より成長する見通しである。

三.景気展望

 2014年の世界経済成長は2013年を上回り欧米市場の消費力を引き上げるほか、世界大手メーカーのOEM需要およびニッチ製品の出荷割合の増加により、14年当業界の売上高は13年比5〜10%増加する見通しである。

 2014年第1四半期における欧米市場のDIYとAM需要の成長、および世界大手メーカーのOEM需要の増加は、当業界の輸出に有利に働く。また、小幅成長が見込まれる国内の経済成長は、川下産業の需要を押し上げるほか、粗鋼価格の修正停止は見積価格の伸びに有利に働き、14年Q1の当業界売上高は13年同期比小幅に成長すると見られる。

 2014年に世界経済の伸び幅は2013年を上回り、欧州経済は衰退から小幅成長に転換するものとみられ、当業界の主要輸出相手国の消費力は高まる見込みである。なお、DIY人口の増加および自動車生産台数の上昇によるメンテナンス市場の強い需要は、世界大手メーカーのOEM発注を引き上げるほか、ハイエンドニッチ製品の出荷割合も成長する可能性があり、14年に当業界の売上高は13年比5〜10%に増加する見通しである(図3参照)。

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