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【ワイズリサーチ】2014通年
——台湾手動工具業界の分析と展望


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年2月26日

機械業界 手動工具

【ワイズリサーチ】2014通年
——台湾手動工具業界の分析と展望

記事番号:T00062794

一.2014年第4四半期の景気概況

 2014年第4四半期、台湾手動工具業界の生産額は前年同期比1.1%増の172.4億台湾元、輸出額は同4.6%増の154.6億台湾元、輸入額は同8.2%増の11.6億台湾元と成長した。なお、14年第3四半期の台湾における市場規模は29.4億台湾元であった。



二.2014年通年の産業分析

 2014年、台湾手動工具業界の業績は好調で生産額と輸出入額いずれも成長した。14年の総生産額は前年比2.1%増の691.0億台湾元、総輸出額は同7.5%増の626.6億台湾元、総輸入額は同19.4%増の50.1億台湾元となる予測である。

 同業界の最大輸出相手国は依然として米国であり、14年の対米国輸出額は179.9億台湾元で総輸出額の28.7%を占めた。次いで2位のドイツへの輸出額は同7.9%を占める49.4億台湾元、3位の中国への輸出額は同5.1%を占める32.2億台湾元となった。

 一方、同業界の最大輸入相手国は中国で、14年の対中国輸入額は19.9億台湾元で総輸入額の39.7%を占めた。次いで2位の日本からの輸入額は同30.6%を占める15.3億台湾元、3位の米国からの輸入額は同9.9%を占める5.0億台湾元であった。

三.業界動向

1.手動工具業界セミナー
 2014年11月、台湾手工具同業公会(台湾手動工具同業組合)、中国鋼鉄(CSC)、台湾鋼鉄工業同業公会(台湾鋼鉄工業同業組合)、中国礦冶工程学会(中国鉱業・冶金学会)は共同で「手動工具鋼材料熱処理技術及び実務」をテーマとするセミナーを開催。台湾手動工具業界における鋼材料熱処理技術の強化、学界と研究機構の情報交流の促進を目指した。

2.2015年秋、台湾ハードウェアショーを台湾中部で開催
 第13回台湾ハードウェアショーは、2015年10月21日~23日に台中に行われる予定である。同展示会は、▽工具と部品▽錠前類▽留め具及びファスナー▽建築材料▽園芸用具及びアウトドア用品▽自動車修理用品及び自動車部品▽ハードウェア及び工場機器▽安全防護――といった8つのエリアを設け、500のブースに350社を超える台湾、海外の企業が出展する予定である。

 なお、台中国際会展中心(台中国際展示場)から車で30分程の移動範囲で、台湾のハードウェア・手動工具のサプライチェーンを構成する各企業を尋ねることが可能だ。台湾のハードウェア産業クラスターを直接訪問することができるチャンスである。

3.デジタル手動工具の大手メーカーを総統が訪問
 2015年1月、デジタル手動工具の大手メーカーである数オウ科技(オウはさんずいに弘、エクラトーQ)を馬英九総統と経済部の担当者が訪問した。同社製品は両岸経済協力枠組協議(ECFA)のアーリーハーベスト(関税の早期引き下げ)対象リストに分類されている。関税免除の優位性に加えて、研究開発を積極的に進めながら業績を伸ばしている。自社ブランドの確立、さらにサプライチェーンの統合を行うことで販路と受注を確保し、協力工場の収益も増加させている。

 数オウ科技の対中国輸出額は2010年に700万台湾元に達した。15年には1,400万台湾元へ倍増する見込みだ。協力工場も直接中国向けの販売を行っており、約6,600万台湾元の売上高を生み出している。

四.景気展望

 2014年、中国手動工具業界の成長率は前年までと比べて低迷したものの、世界的な物資価格の上昇が生産コストが低い中国手動工具業界の輸出を後押ししている。

 今後、欧米及び日本の景気低迷が続き、国際原材料価格も高騰しているため、中国の輸出成長はしばらく伸び悩むと予測されている。また、物価上昇による金融引き締めが中国内需と投資に及ぼす影響などさまざまな要因により、中国の経済成長はさらに鈍化すると予想されている。このような背景から、台湾手動工具業界の各社は15年の景気を楽観視している。

機械業界-手動工具

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