ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

【ワイズリサーチ】2014〜15年——台湾金属手動工具業界の産業分析と景気予想


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年1月29日

機械業界 手動工具

【ワイズリサーチ】2014〜15年——台湾金属手動工具業界の産業分析と景気予想

記事番号:T00062782

一.業界概況

 台湾金属手動工具業界は輸出指向であり、輸出割合は総売上高の65%を占めているほか、輸出は主に欧米販路とOEM(相手先ブランド名製造)委託先を経由している。

 2014年上半期、台湾金属手動工具業界は中国の価格競争の影響を受けていたが、製造業界からの需要は国内経済成長で押し上げられたほか、主要輸出先である米国の経済が安定に回復し、欧州の経済も改善したため、手動工具業界に対する世界中の需要が増加し、同業界の生産額と売上高は13年同期より小幅に伸びた。

 なお、14年下半期における中国、米国、日本の自動車業界の成長が続いたため、台湾金属手動工具業界に対するアフターマーケットおよびDIY市場からの需要も引き続き高まっている。そのほかに、インテリジェント手動工具と統合型手動工具の出荷量が増加し、下半期における同業界の生産額と売上高は13年同期より大きく伸びた。

 全体的に見て、14年の国内外製造業界と自動車用手動工具業界は好景気を迎え、台湾金属手動工具業界は輸出額とOEM受託量が増加し、13年より優れた生産額と売上高を示した。

二.製品の販売状況

 中国主導工具業界は技術が進化したほか、生産力と品質が向上し、輸出量が顕著に拡張したため、ジャッキに関する競争が激化し、台湾製ジャッキの見積価格は小幅に下方修正されている。そのため、14年第1四半期~第2四半期の米国の経済が安定成長し、欧州の経済も改善され、ジャッキに対する需要が回復したが、台湾製ジャッキの見積価格は13年同期比4.48%小幅減の1,136.67台湾元に後退した。

 台湾企業はインテリジェントキーとロック多機能ロックを含むニッチ製品の製造量を増やし、世界大手メーカーによるOEM発注も減少していないため、台湾製金属ロックの見積価格は近年にない比較的高い値段を維持している。14年Q1~Q2における北米住宅市場の景気回復がハイエンドの家庭用インテリジェントキーに対する輸入需要を引き上げ、同業界の輸出品の値下げに有利に働き、金属ロックの平均見積価格が13年比8.71%増の96.83台湾元に膨らんだ。

 全体的に見て、国内外の経済成長が加速され、産業用手動工具の需要増加に有利に働いており、インテリジェント工具の輸出とOEM受注は増加したが、中国によるロー~ミドルエンドの手動工具の輸出増に影響され、14年の台湾手動工具業界は値上げした製品もあれば値下げした製品もある。



三.企業の運営状況

 14年Q1~Q3の、国内外の経済成長は産業用手動工具の需要増加に有利に働いているほか、世界自動車業界の景気好調はアフターマーケットとDIY市場からの需要を押し上げ、台湾金属手動工具企業は主に13年より優れる売上高を見せた。その中でも、鑚全実業(BASOO)と車王電子(MORE)は高付加価値製品の出荷割合増により、連結売上高は顕著な伸び幅を見せた。一方、力肯実業(デ・ポアン)は主要取引先の在庫調整に影響され、小幅に衰退した売上高を見せた。

 また、14年Q1~Q3における鋼材見積価格の下方修正の恩恵を受けて、同業界の生産コストが低減したほか、高付加価値製品の出荷割合が上昇したため、メーカーの連結粗利益と純利益はおもに13年同期より成長した。うちに、鑚全実業と車王電子は世界自動車生産量の増加による自動車用電子製品の販売好調に恵まれ、連結粗利益と純利益は13円同期より伸びた。一方、正峰新能源(ジェンフォン・ニューエネルギー)は事業構造の調整に影響されて、収益が衰退し続けた。



四.景気予想

 中国手動工具業界による中低価格製品の輸出量が増加し、台湾金属手動工具業界の価格競争は激化しており、この状況は2015年も続くと考えられる。

 15年第1四半期に、欧米のDIY市場とアフターマーケットからの需要が続いており、米国新宅着工数も増加するとみられているほか、台湾金属手動工具業界によるインテリジェント手動工具と統合型工具の輸出が好調となっており、世界大手手動工具メーカーからのOEM発注は増加し続けると見られている。また、15年Q1の台湾国内経済は安定に成長し、手動工具に対する需要を引き上げると予想されており、同業界の売上高は14年Q1より成長すると予測されている。

 全体から見て、世界大手メーカーのOEM発注が増加し、ニッチ製品の出荷割合も上昇し、15年における台湾金属手動工具業界の売上高は、14年より1~3%増の伸び幅に膨らむと見られている。しかし、一部の製品は中国による低価格競争の影響を受け、同業界の景気は14年の横ばいを維持すると予想されている。

機械業界-手動工具

2週間無料モニター募集中!

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。