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【ワイズリサーチ】台湾機械伝動装置業界の産業分析と業界動向


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年4月24日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】台湾機械伝動装置業界の産業分析と業界動向

記事番号:T00062619

一.業界概況
 2013年第4四半期、当業界では台湾メーカー各社が台湾市場の開拓へと方向転換したことに加えて、米国の経済回復を受けた製造業の設備投資拡大、台湾メーカーにとって脅威だった日本円安の悪影響が弱まった。このような業界背景に加えて前年12年は景気不振だったこともあり、同期の生産額は前年同期比29.10%増の89.31億台湾元、売上高は同25.29%増の85.36億台湾元と大きく成長した(表1参照)。

  14年は世界経済の先行きが楽観視されており、当業界も受注増が期待される。とくに海外市場での需要はさらに拡大するとみられ、第1四半期の生産額及び売上高は引き続き成長傾向が続く見通しだ。

二.製品別の販売状況

▽リニアガイド
 台湾メーカー各社はリニアガイドの研究開発に注力しており、国際市場でも高い競争力を有している。世界需要が回復したことに加え、日本円安の影響も弱まってきていることから、13年第4四半期の売上高は前年同期比34.01%増の37.04億台湾元と増加した。

▽ボールねじ
 川下機械業界からの需要が回復。13年第4四半期の売上高は前年同期比38.31%増の13.08億台湾元となった。

▽ベアリング
 ベアリングも川下産業からの需要が回復したことにより、13年第4四半期の売上高は前年同期比17.20%増の24.65億台湾元となった。

▽ギア
 13年第4四半期の売上高は、前年同期比5.89%増の10.59億台湾元。その他製品ほど伸びなかった。


 14年第1四半期の売上高成長率は、各製品ともに引き続き伸びている。とくにボールねじとリニアガイドの伸び幅が最も顕著である。

三.輸入概況

 13年第4四半期、当業界の輸入額は61.13億台湾元で前年同期比2.33%の小幅減となった。主要輸入相手国は輸入額上位から順に日本、中国、ドイツ、米国、イタリアである。この五カ国のうち、日本、イタリアからの輸入額は前年同期比マイナスとなったが、中国、ドイツ、米国は増加した(表3参照)。



 14年第1四半期は、台湾機械産業の生産量が増加したことに伴い、当業界の輸入額は同6.11%増の60.16億台湾元と成長した。上位五カ国のうち日本からの輸入額は増加に転じ、中国、ドイツからの輸入額も同10%成長したが、米国とイタリアからの輸入額はマイナス成長となった。

四.輸出概況

 海外各国の製造業界からの受注回復により、13年第4四半期の輸出額は115.86億台湾元で前年同期比26.24%増となった。主要輸出相手国は輸出額上位から順に中国、米国、ドイツ、日本、韓国である。円安のため台湾メーカーからの調達量が減少した日本を除き、その他四カ国への輸出額は顕著に増加した。対中国輸出額は中国市場での需要拡大と日中関係の悪化により台湾メーカーからの調達が増加したことから、同50%以上伸びた。また対韓国は同35.91%増、米国とドイツへの輸出額も同10%以上成長した(表4参照)。


 世界市場からの需要は引き続き高く、14年第1四半期は当業界の輸出額は前年同期比17.00%増の97.66億台湾元であった。対中国輸出額は同25%増、日本、ドイツ、米国への輸出額は同10%を上回る成長をみせ、対韓国でも小幅ながら成長した。


五.企業の運営状況

▽上銀科技(ハイウィン)
 機械業界の景気低迷と日本円安の影響を受けて、13年上半期の連結売上高は前年同期比18.35%減と落ち込んだ。しかし下半期は世界市場の需要回復を受けて売上高が増加、13年通年の連結売上高は前年比0.57%増の124.43億台湾元となった。13年の当期純利益は円安を受けて製品価格を下げたため粗利益率が下落したことから、前年同期比1.00%減の19.13億台湾元に止まった。

 なお14年第1四半期の連結売上高は前年同期比26.60%増であった。

▽直得科技
 同社も日本円安と製造業不振の影響を受けて、13年上半期の連結売上高は9.33%減少した。しかし下半期はハイウィン同様に売上高が増加、13年通年の連結売上高は前年比2.37%増の9.42億台湾元となった。13年の当期純利益は日本円安が悪影響し、前年比14.23%減の59億台湾元となった。

 なお14年第1四半期の連結売上高は前年同期比35.18%増であった。

▽瑞頴
 主力製品は台車、車庫ドア、自動倉庫用ベアリング。米国とカナダを主要市場とし、世界各国にコンベア部品を供給している。米国市場で自動車販売が好調であることから同社の受注が増加、13年通年の連結売上高は前年比11.38%増の10.02億台湾元へ成長した。13年の当期純利益は原材料コストの見直し、台湾元安による粗利益率の上昇により同29.97%増の2.04億台湾元であった。

 なお14年第1四半期の連結売上高は前年同期比33.52%増であった。


六.業界動向

▽海外市場
 円安による悪影響の減少や製造業界の景気好転、さらに米国経済の回復、当業界のハイエンド製品に対する中国の需要拡大といった2014年の国際情勢は、輸出額増加の好材料となるだろう。

▽台湾市場
 台湾の機械産業各社が台湾製品の調達規模を拡大しているため、台湾市場での販売額と生産額は成長傾向が続く見通しである。
▽製品販売状況
 機器設備業界の景気回復により、国際競争力のあるリニアガイドとボールねじを筆頭に14年の各製品生産額は成長が見込まれる。

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