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【ワイズリサーチ】中国と台湾商用車市場の現状と動向


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年7月17日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】中国と台湾商用車市場の現状と動向

記事番号:T00062671

一.基本紹介

 金融危機が発生した2008〜09年を除いて、新興国市場の都市化及び公共交通に対する需要の増加により、世界商用車市場は04年から2,000万台ほどの規模を維持している。そのうち、最も売上が伸びている商用車は、年間成長率8.4%増のバスである。なお、近年では石油価格の高騰および排出ガス規制により、商用車の開発は燃費の改善および電気化に向かって発展してきている。

二.中国商用車市場

 中国商用車市場はその経済成長と深く関連しているため、中国のGDP(国内総生産)が13年に12年比7.7%減と落ち込んだことに伴い、商用車の売上も同6.4%減に縮小した。

 中国の工業化を考慮し、20年まで中国商用車市場は成長を維持すると予想されているが、市場が飽和し始めたため、商用車に対する需要の伸びは鈍く、そして21年からは縮小すると見られている。

 また、中国の商用車はすでに過剰生産気味で、特にメーカーが積極的に参入しているトラックと乗用車の過剰生産が最もひどく、これから企業の利益が大幅減少する恐れもある。

 

三.台湾商用車市場

 過去数年間、経済情勢やほかの要因により、台湾商用車市場の売上は窮地に陥っており、ピークは05年の11万5,000台であった。それから台湾商用車市場の売上はますます落ちこんでおり、金融危機の影響を受けて08年には、3万3,000台まで落ち込んだこともあった。ただ、最近5年間で、台湾商用車市場には景気好転の兆しが現れ、13年の売上は4万4,000台に達した。

 現在、EU(欧州連合)標準の環境・安全規制が実施され、日野、いすゞ、三菱ふそうが主導していた台湾中・大型商用車市場は変革期を迎えている。なお、裕隆グループが新エネルギー分野に注力して、充電スタンドを各地に設置しているほか、2014年にレクサスとトヨタは新エネルギー分野に参入する動きを見せ、テスラの電気自動車が台湾に導入される可能性もある。



四.市場観測

 中国と台湾商用車市場はまだ成長する可能性があるが、市場はすでに飽和状態に近いため、その伸び幅はこれから縮小の一途をたどると見られている。これからの世界商用車市場は、新興国市場の需要を中心に発展して行き、新興国市場のニーズを満たす低価格車種もこれから増えると予想されている。

 ナビガント・コンサルティングの報告によると、2014年に米国電気自動車市場は前年比86%増である34.5万台の売上で成長すると見られ、うちに17万台はPHV(プラグインハイブリッドカー)で、13万4,000台はEV(電気自動車)だという。これから電気自動車が世界商用車市場に与える影響がますます上昇し、自動車市場の販売主力まで成長していくと推測されている。

 商用車の電気化は新たなビジネス・サービスモデルにもつながっている。物流業界と旅客輸送業界が商品と顧客の輸送に排出ガスゼロの電気自動車を採用すれば、都市交通環境と物流システムは大気汚染の問題を改善し、省エネによってコストが抑制されて利潤をもたらすこともその一例である。また、連鎖反応的に多くの電気自動車が導入され、クリーンエネルギーが確立され、商用車市場における新たな革命に至る可能性もある。

機械業界-自動車・二輪車

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