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【ワイズリサーチ】台湾自動車部品・車体業界の
産業分析と業界動向——2014年上半期


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2014年7月24日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】台湾自動車部品・車体業界の
産業分析と業界動向——2014年上半期

記事番号:T00062675

一.業界現況

 2014年以来、台湾経済は13年より好転しており、▽一部の企業による昇給▽株式市場の好調▽政府による住宅市場の抑制策▽自動車メーカーの販促——により、国内自動車市場は顕著に好況になっており、台湾自動車部品・車体業界に対する需要も押し上げられている。

 なお、米国、日本、欧州における自動車産業の好況も、台湾自動車部品・車体業界の輸出に好影響を与え、14年第1四半期の同業界の生産額は前年同期比7.44%増の469.77億台湾元、売上高は同11.86%増の507.57億台湾元に拡大した(表1参照)。この成長は14年第2四半期も続くとみられ、その伸び幅が10%を上回ると推測されている。



二.販売状況

1.製品の販売状況
 需要増加の好影響を受け、「自動車ブレーキシステム・部品」を除いて、14年第1四半期の台湾自動車部品・車体業界の各製品は、13年同期より売上高の伸びを示した。その中でも、「自動車車輪」の売上高は前年同期比53.80%増の伸び幅を見せ、「未分類その他の自動車部品」は同9.11%増である253.72億台湾元である一位の売上高を示した。そのほかに、「自動車用ライト」の売上高が前年同期比12.49%増である80.60億台湾元、「未分類その他の自動車電装部品」の売上高が同7.95%増である43.22億台湾元となった。この好況は14年第2四半期も続くと見られ、「自動車ブレーキシステム・部品」以外の製品の売上高は13年同期比10%増を超える伸び幅を示している。(表3参照)



2.輸出入状況
 14年第1四半期の、台湾自動車販売市場の売上増は、関連部品に対する輸入需要の増加にも繋がり、台湾自動車部品・車体業界の輸入額は、前年同期比31.48%増の169.74億台湾元に成長した。なお、税関の最新データを参考すると、4〜5月に同業界の輸入額が前年同期比27.05%増の130.46億台湾元に伸びたことにより、14年第2四半期の輸入額は勢い止まらず成長していることが分かる。

 輸出に関して、欧米と日本の自動車販売市場がにぎわっており、それが台湾自動車部品・車体業界の調達増に繋がっており、14年第1四半期における同業界の輸出額は、前年同期比8.86%増の382.17億台湾元に伸びた。また、4〜5月のその輸出額は前年同期比8.34%増の281.06億台湾元に達したことを見ると、第2四半期の同業界の輸出額は引続き成長していることがわかる。


三.企業運営

 需要回復の恩恵を受け、台湾自動車部品・車体業界の企業の14年上半期連結売上高は伸びており、その中でも連結売上高が13年比15%増を超えるメーカーは、順に▽大億交通工業製造(ター・イェー)、28.62%増の23.95億台湾元▽堤維西交通工業(TYC)、17%増の92.55億台湾元▽和大工業(HOTA)、16.69%増の22.69億台湾元——がある。それに対し、耿鼎企業(ゴードン)と源恒企業(ユーアン・フェング)のみが、それぞれ前年同期比2.47%減と21.06%減の連結売上高を示した。

 景気好転はメーカーの連結当期純利益も押し上げており、14年第1四半期に大億交通工業製造と堤維西交通工業は前年同期比80%増以上の連結当期純利益を示したほか、耿鼎企業は連結売上高が下落したが、粗利益率の上昇により連結当期純利益が234.31%大幅増にも急成長した。しかし、瑞利企業(ジュイリー)と源恒企業の連結当期純利益は赤字転落した(表4参照)。


四.市場観測

 14年、台湾経済は13年より成長しているほか、株式市場も好況になっており、国内自動車販売市場の景気回復は、台湾自動車部品・車体業界に対する需要増にも繋がっている。また、米国の経済好転により、アフターマーケットが在庫を補充しているほか、欧州と日本における自動車販売の好調も台湾自動車部品・車体業界に好影響を与えている。従って、国内外の需要増加により、14年下半期の同業界の売上高は更に成長し、その伸び幅は13年比10%増以上になると予測されている。

 現在、アフターマーケットはすでにオフシーズンに入ったが、台湾元の切り下げにより、同業界の第3四半期はオフシーズンでありながら売り上げが伸びると判断しているほか、第4四半期はピークシーズンであるため、14年の台湾自動車部品・車体業界の売上高は予想を上回る可能性がある。

 景気好転に応じて、同業界の一部メーカーは投資規模を拡大している。東陽グループ(TYG)は三年連続で、30億台湾元を超える資本的支出を投入しているほか、堤維西交通工業は南部科学工業園区において新設工場計画を始めており、和大工業は大里工場を拡大し、2015年は嘉義大埔美園区工場を再起動する予定がある。

機械業界-自動車・二輪車

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