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【ワイズリサーチ】先端製造技術に関する台湾の研究開発


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年2月12日

機械業界 製造業全般

【ワイズリサーチ】先端製造技術に関する台湾の研究開発

記事番号:T00062790

一.基本紹介

 台湾製造業の輸出額は総輸出額の88%を占めており、製造業は経済成長の源だと言える。米国の「先端製造パートナーシップ(AMP)」とドイツの「インダストリー4.0」を参考に、いかに先端テクノロジーを発展させて製品の付加価値を高めるかということは、すでに台湾製造業界にとって一刻の猶予もない課題となっている。

 先端製造技術は、▽ロボットとエコマシン▽先進製造技術▽微細製造システム――の3つに大きく分けられる。その中で、▽ロボット▽軽量化材料▽積層造形▽デジタル製造▽ビッグデータ――などの分野で研究開発が進められている。製造業界は進化を加速させながらメーカーの競争力を維持し、カスタマイズ能力を高め、高付加価値を生むことを目指している。


二.ロボットとエコマシン

 ロボット技術は常に製造業界から注目を浴びている分野である。今後10年間、ロボット技術はカスタマイズと情報通信技術の統合によって、製造業のカギとなる存在であり続けるだろう。ロボットの応用によって広範囲かつ複雑な技術が統合され、またロボットの設計を通じて工具が改善され、人間と機械の協力関係が強化される。ロボットの機能と柔軟性は日々向上している。先端技術の研究は、部品の精度、信頼性、安全性を高め、サービスと技術を強化させることに力を注いでいる。


 エコマシンは生産機能の条件を満たす必要があり、かつグリーンプロセスへの準拠も優先されなければならない。さらに製造プロセスにおいては3R(リデュース、リユース、リサイクル)の実現が期待されている。エコマシンの分野では、▽3Dプリント技術設備▽太陽光発電用薄膜の連続製造プロセス▽低消費電力のタッチパネル▽省エネLED(発光ダイオード)コリメーターのモジュール▽グラフェンエネルギー貯蔵技術▽ビッグデータ運用▽統合式発電機――といった先端技術の研究開発が進められている。

三.先進製造技術

 世界規模で炭素排出量とクリーニングプロセスに対する基準が厳格化する中、台湾製造業界は、▽スマート化▽センサーと分析▽情報通信技術▽ネットワークと先端材料の強化――を通じて先進製品を製造し、新製品を生み出す能力を確立することを目指している。

 先進製造に関すて台湾で行われている研究は下記の通りである。目標は、センシング技術とデジタル制御技術を強化し、世界水準の製品を参考してスマート駆動技術と制御技術を確立させ、高精度の位置決め技術と校正技術を開発することである。

1.工作機械製造技術の開発
2.非破壊検査技術・設備の確立
3.デジタル・マニュファクチャリングとインテリジェント・ネットワークの普及
4.積層造形技術の開発


四.微細製造システム

 近年、スマート電子製品とウェアラブル・エレクトロニクスが急激に成長している。軽量かつ小型で多機能の製品に対するニーズが主流となる中、微細部品は高品質、高付加価値の象徴となっている。さらに特殊精密部品は単一の製造プロセスや設備によって製造できるものではなく、微細製造システムによってのみ生産が可能であることがしばしばある。

 フランスの調査会社Yole社によれば、微細製造システム製品の全世界における生産額は2018年に225億米ドルを超えると予想される。この分野は、▽スマート電子製品▽ウェアラブル高速データ伝送装置▽バイオ医療機器▽カーエレクトロニクス――といった市場があり、台湾にとって新たなチャンスとなるだろう。

五.将来展望

 先端技術に関する研究の目標は、主に今後の製造業が必要とする関連技術を開発することである。台湾はすでに、▽曲面の欠陥検出システム▽ロボットアームの自主精度校正▽省エネLEDコリメーターのモジュール▽グラフェンエネルギー貯蔵技術――などの研究に着手している。開発が成功すれば、台湾企業の先端製造能力が向上し、世界市場における大きな商機の獲得に貢献することとなるだろう。

機械業界-製造業全般

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