記事番号:T00062815
2014年の概況
台湾金属表面処理産業の2014年生産額は前年比1.3%増の1,427億台湾元(表1参照)で、そのうち国内販売額は611億台湾元(同1.3%減)、輸出額は631億台湾元(同9.1%増)となった。また当産業における主要4分野の14年生産額は、▽溶融亜鉛めっき鋼板・コイル、676億台湾元(前年比2%減)▽カラー鋼板・コイル、266億台湾元(同3%減)▽その他塗装鋼板・コイル、165億台湾元(同5%減)▽その他金属・金属製品の表面処理、301億台湾元(同9%減)――だった。
台湾金属表面処理産業における製品としての輸出入は「塗装鋼板」によって示されるが、同製品の14年輸入額は174億台湾元で主要仕入れ先は日本が1位、中国が2位となっており、両国からの輸入額が全体の80%を占めた。その他の仕入れ先3〜5位は上位から韓国、米国、ブラジルとなった。一方、輸出額は768億元で1位の中国向け、2位の米国向け輸出額は全体の46%を占めた。輸出先3〜5位は上位からタイ、マレーシア、メキシコだった。
台湾めっき鋼市場では国家規格(CNS)制度に基づく強制認証制度が施行されるとの見通しから上半期に塗装鋼板製品の輸入量が22万トン超へ大幅に増え、市場の秩序が混乱に陥った。国内需要が目に見えて鈍化する中、輸入製品の在庫消化が進まず、第3四半期から第4四半期にかけて販売価格の下落が持続。また輸出市場においては、競争が激しいアジア市場で低価格を武器に受注増を図る中国メーカーの輸出量が大幅に伸びたことを受け、台湾メーカーも相次いで輸出価格を引き下げたものの、目に見える効果は得られなかった。
一方、自動車部品および電子部品向け市場を2大分野とする金属表面処理業務は昨年、いずれの分野においても受注が好調となった。その要因としては、自動車部品業界が過去数年間で進められた生産能力拡充が効果を発揮したこと、台湾市場で新車の買い替え需要が高まったこと、年初および年末の大雪被害によりアフターマーケット(AM)向け輸出が増えたこと、主要輸出先である米国で景気回復が進んだことに恩恵を受け、2014年は一貫して業績好調となったこと。また電子部品向け業務においても、世界経済の回復に伴い、携帯電話やタブレット端末などモバイル機器の需要が高まったことが挙げられる。
2015年の展望
金属表面処理産業の2015年生産額は前年比4%前後の成長が予想される。ただ、塗装鋼板の輸出については価格引き下げによる効果が見られず、業界各社は相次いで生産調整を進めており、第1〜第2四半期は低調が続くとみられ、その後の市況も不透明な状況だ。金属表面処理業については相場が上向く見通しだ。一方、表面処理業務では、世界自動車市場が好景気となるとの見方が強く、自動車販売台数が増加し、自動車部品メーカーの受注も長期にわたり好調が続くとみられることから、自動車部品向け表面処理需要も高まると予想される。また、電子部品向け市場では、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)、スマート家電、第三者支払い、指紋認証、4Gインフラ、カーエレクトロニクス等、将来性の高い応用分野の発展が見込め、これに応じて表面処理産業の先行きも楽観視されている。
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