(一般公開)台湾ファスナー業界の分析と展望
——2014Q4


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年3月5日

機械業界 金属

(一般公開)台湾ファスナー業界の分析と展望
——2014Q4

記事番号:T00062798

一.業界の概況

 台湾ファスナー市場は規模に限りがあるため、台湾のねじ・ナット業界は輸出中心である。ファスナー業界は中国による低価格競争の脅威が年々大きくなってきているものの、世界各国の自動車OEM(相手先ブランド名製造)分野で実績を上げている。さらに欧米住宅市場向け製品の付加価値化が進んでいるため、2014年第4四半期における同業界の輸出額は増加した。

 14年第4四半期、台湾ファスナー業界の輸出額は前年同期比30%増の424億台湾元、輸入額は同18%増の13億台湾元となった。なお、当期における平均輸出単価は1キログラム当たり82台湾元であった。

ニ.2014年通年の業界状況

 2014年、台湾と海外各国の経済は共に好転し、製造業界に対する需要が高まった。これによりファスナーの輸出量が増加、さらにインフラ整備が進む中国及び東欧諸国からのねじ・ナットに対する需要も拡大した。加えて、鋼材のオファー価格が大幅に下落したことも追い風となり、台湾ファスナー業界は安定して成長した。14年、同業界の生産額は前年比11.5%増の1,381億台湾元、輸出額は同11.5%増の1,280億台湾元、輸入額は同7%増の46億台湾元であった。なお、14年通年における平均輸出価格は1キログラム当たり約85台湾元で過去最高となった。
 14年の輸出相手国上位5カ国とその輸出割合は、順に▽米国、39.5%▽ドイツ、9.0%▽オランダ、5.2%▽日本、4.5%▽英国、4.3%――であった。このうち対日本輸出製品の平均単価が最も高く1キログラム当たり97台湾元、その他の上位4カ国向けの平均輸出価格は同約82台湾元であった。一方、輸入相手国上位5カ国とその輸入割合は、順に▽日本、47%▽米国、11.5%▽ドイツ、7.8%▽中国、7.7%▽ベトナム、3.7%――であった。

 なお、同業界の主要輸出相手国である米国は量的緩和が縮小されたものの、労働市場が安定していることから、台湾ファスナー業界への需要増加が続いた。このため同業界の14年対米国輸出額は、前年比15%増の488億台湾元と成長した。またドイツとフランスが牽引するユーロ圏の経済好転により、同業界の対欧州連合(EU)輸出額は同2%増の365億台湾元に伸びた。

三.企業の動向

1.世鎧精密(SHEH KAI)
2014年は、EUが中国と台湾のステンレス鋼製ねじ及びファスナー製品に対して反ダンピング関税を課したことにより、世鎧精密の業績は影響を受けた。しかし同社の複合ねじ製品は後に反ダンピング関税を免除されたため、今後の業績は回復すると見られている。また15~16年はニッケル価格が上昇すると予測されており、同社の製品価格設定に有利に働くだろう。

2.鴻君科技(HC-BIOS)
 鴻君科技は南部科学工業園区の高雄園区(路竹園区)に位置している。親会社はねじの金型及び関連設備の生産・製造を行っていたが、近年は人工歯根の生産に方向転換している。同社は台湾初のクラスIII植込み式医療機器の製造メーカーである。

現在、高雄園区には医療器具メーカーが約44社あり、バイオテクノロジー医療の産業クラスターが形成されつつある。

3.世徳工業(SUMEEKO)
世徳工業は屏東輸出加工区に拠点を設置し、6億台湾元を投資した。本投資で直接工場を購入したため、2015年からすぐの量産が可能である。これにより生産能力の倍増を目指す。

4.精湛光学科技
 2014年、精湛光学科技はファスナー成型事業部門を新たに成立した。同社の主要製品である圧力検査装置を成型機と統合し、ファスナー製造プロセスを完成品の検査まで実施できるようになった。同社の世界市場開拓に追い風となるだろう。

四.未来展望

 世界各国の製造業界からの需要増加に加えて、米ドルの切り上げが輸出メインの台湾ファスナー業界に有利な状況を生み出しており、2015年第1四半期の同業界の輸出業績は成長が持続する見通しだ。同業界各社のうち、自動車用ファスナーメーカーである三星科技と世徳工業、ステンレス鋼製ファスナーメーカーである華キ工業(キはしめすへんに其、ロデックス・ファスナース)は、OEM受注増と欧米市場からの需要増により業績の安定した成長が見込める。

ただし15年の同業界の景気については、前年14年の成長率が高かった上に、世界経済の成長はゆるやかになる可能性があるため、前年比で横ばい、もしくは小幅成長にとどまると予想される。15年第1四半期の輸出額は、前年同期比3%増の308億台湾元、生産額は321億台湾元で、15年通年の輸出額は同10%増の1,408億台湾元に伸びると予測される。

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