ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

【ワイズリサーチ】2015年台湾自動車部品製造業の現状


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2015年7月9日

機械業界 自動車・二輪車

【ワイズリサーチ】2015年台湾自動車部品製造業の現状

記事番号:T00062872

一、14年通年、および15年1〜4月販売額

 昨年は台湾の自動車販売が増加したこと、および海外のアフターマーケットにおける需要の高まりを受けて台湾自動車部品製造業の2014年生産額は前年比7.22%増の1,978億2,400万台湾元、販売額は同11.19%増の2,141億4,700万台湾元となり、前年の低迷を脱した。

 また、2015年第1四半期も台湾における自動車生産量が引き続き成長を見せたこと、および市民の給与増加、原油価格の下落を背景に自動車利用率が上昇し、台湾のアフターマーケットで自動車部品の需要が高まった。財政部の統計によると「その他自動車メンテナンス業」の15年第1四半期販売額は前年比成長率が12.15%に上っており、当産業の国内向け販売成長を後押しした。また、米国アフターマーケットからの調達規模が拡大したこと、裕隆集団傘下の自社ブランド「ラクスジェン(LUXGEN)」が中国市場で好調な販売を記録していること、および欧州での自動車販売増により、台湾自動車部品製造業の2015年1~4月生産額は前年同期比2.61%増の648億2,400万台湾元、販売額は同0.89%増の699億4,500万台湾元といずれもプラス成長を記録した(図1)。

 ただ、海外からの調達は継続して増えている一方で、第2四半期に入り国内の自動車販売に陰りが見えており、特に自動車の輸出量は顕著に減少していることから新車市場における自動車部品需要が打撃を受け、当産業の同期生産額、販売額はいずれも前年比マイナス成長に陥ったとみられる。

二、15年1~4月・製品別販売額


 自動車部品別の2015年1~4月販売額は、「大型バスボディ」、「エンジン・部品」、「エンジン・部品」、「ホイール」、「その他自動車部品」でマイナス成長を記録したが、その他はいずれもプラス成長を見せた。うち、「その他サスペンション・トランスミッションシステム・部品」は輸出が大きく伸びた影響で同期販売額は前年同期比31.76%の大幅成長を記録した。また「自動車用ライト」と「その他電気部品」もそれぞれ同6.28%、同3.25%増加。「トラック・その他ボディ(荷台含む)」、「ステアリング装置・部品」も、販売額規模は小さいものの、それぞれ同7.02%、同8.58%の成長を見せた。

三、輸出入分析

 台湾自動車部品製造業は長期にわたり台湾市場を主戦場としており、国内向け販売比率が50%以上を維持している。2015年は台湾内および海外での需要がともに成長しており、かつ国内のアフターマーケットでの販売額は前年比10%を超える増加を見せているが、国内の自動車販売は成長率が鈍化しているため、2015年1~3月期は輸出比率が47.44%と小幅に拡大した。

1.15年1~5月・輸出入額
 台湾自動車部品製造業の2015年1~5月輸出額は692億7,400万台湾元と前年比4.43%の増加を記録した。当産業では今年、米国における自動車販売が成長を維持し、同国のアフターマーケットからの自動車部品調達も拡大しているほか、欧州からの調達も目に見えて増加している。また、中国における日本車の販売減が当産業にとってマイナス要因となっているものの、同市場におけるラクスジェン車の販売が伸びていること、およびアフターマーケット需要の高まりが台湾からの部品調達拡大につながっている。

 今年第2四半期、米国および中国での需要は継続して成長したが、欧州からの調達が顕著な減少を見せたことから、当産業の同期輸出額はプラス成長を維持したもの、成長率は縮小したとみられる。

 一方、当産業の15年1~5月輸入額は298億7,500万台湾元にとどまり、前年同期比0.44%の減少となった(図2)。

 第1四半期はプラス成長を維持したものの、株価の下落を受けた資産の減少が市民の自動車購入意欲、特に小型車の購入に打撃を与え、重要部品の輸入需要減退につながった。
 第2四半期通期でも、国内の自動車販売不振による重要部品の輸入需要低下から、輸入額は前年同期比マイナスを記録したと推定される。

2.15年1~5月の主要仕向け先別輸出額
 台湾自動車部品製造業の2015年1~5月の主要輸出先は▽米国▽中国▽日本▽英国▽オランダ――となった。うち米国で今年に入り自動車販売が伸びている上、アフターマーケットでの需要も高まっていることから、米国向け同期輸出額は310億9,100万台湾元と前年同期比9.15%の増加を記録した。また中国でラクスジェン車が大幅に販売を伸ばしていること、およびアフターマーケットにおける台湾製部品の調達が増えていることから、同期の中国向け輸出額は38億6,300万台湾元に達した。

 一方、日本では今年、自動車の生産量が減少しており、自動車部品の輸入需要も減退しているが、台湾の部品メーカーは日本の自動車メーカーとの提携を積極的に進めていることから、台湾からの部品調達量は依然、成長を維持している。このため1~5月の日本向け輸出額は前年同期比9.86%の成長を記録した。

 このほか、今年に入って欧州での自動車販売が増加傾向にあることから、英国、オランダ向けの同期輸出額もそれぞれ同6.57%、同12.39%の増加を見せた。


3.15年1~5月の主要仕入れ先別輸入額
 台湾自動車部品製造業の2015年1~5月の主要輸入相手国は▽日本▽中国▽韓国▽タイ▽ドイツ――となった。今年第1四半期、台湾における自動車販売が成長を維持したことから、1~5月の日本からの自動車部品輸入額は108億7,800万台湾元と前年同期比3.69%の増加を見せた。また近年、日本メーカーがタイでの生産に投資を拡大している影響で、タイからの同期輸入額も24億2,300万台湾元と同6.65%の成長を記録した。一方、第2四半期に入り、国内の自動車販売に陰りが見えたことから中国、韓国、ドイツからの1〜5月輸入額はそれぞれ同7.60%、同9.65%、同5.37%のマイナス成長となった。

機械業界-自動車・二輪車

2週間無料モニター募集中!

情報セキュリティ資格を取得しています

台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。