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【ワイズリサーチ】産業機械景気動向報告——
市場概況


リサーチ 経営 台湾事情 作成日:2016年1月28日

機械業界 工作機械・産業機械

【ワイズリサーチ】産業機械景気動向報告——
市場概況

記事番号:T00063622

 2015年上半期台湾経済は予想より下回り、輸出受注および製造業生産指数はそろって衰退の傾向を見せた。そのため、台湾製造業の投資意欲は低下し、特に電子業は紅色供応鏈(レッド・サプライチェーン)の脅威、川下メーカーの需要縮減などの影響を受けて、15年第2四半期の在庫額は明らかに増加し、内需縮減に繋がっている。ただ、台湾製造業はコストダウンのため、台湾設備メーカーに対する調達規模を拡大したことにより、産業機械メーカーの国内販売額は成長した。また、米国経済の回復および米国製造業の国内回帰、加えて台湾メーカーは生産拠点を東南アジア諸国連合(ASEAN)に転移させたことにより、当産業の輸出をけん引した。輸出額が成長した恩恵を受けて、15年1〜8月産業機械の生産額は前年同期比11.42%増の1,555億2,900万台湾元となった。
 輸出入について、2015年上半期は内需縮減の影響を受けたものの、台湾積体電路製造(TSMC)などの電子業者がハイエンド設備の調達規模を拡大した恩恵を受けて、輸入額は大幅に成長し、当産業15年1〜8月の輸入額は前年同期比4.33%増の2,913億9,300万台湾元となった。
 輸出について、米国およびASEANからの調達規模は拡大したものの、中国からのニーズは明らかに減少したため、輸入額は同0.52%増の1,262億2,000万台湾元にとどまった。2015年下半期について、台湾経済は小幅成長にとどまると予想され、各メーカーは積極的に第2四半期で増加した在庫を消化しようとしている。また、15年4月に入ってから輸出受注および製造業指数の減少が続き、在庫消化および受注減少の影響を受けて、15年下半期台湾製造業の設備調達需要はさらに縮減すると思われる。また、人民元安の影響で国際為替の変動が激しくなり、海外の川下製造メーカーの設備調達は様子見または先送りする恐れがある。加えて中国およびASEANの経済鈍化は台湾産業機械業に不安要素をもたらしたため、15年下半期は海内外需要が縮減した影響を受けて、産業機械業の生産額、輸入額および輸出額は前年同期比そろって衰退の傾向を見せるものの、15年上半期は前年同期比1割以上の成長に達したため、15年通年生産額は前年同期比小幅成長を維持し、景気信号は横ばいを意味する青を維持する見通しだ。(表1参照)。

 各カテゴリー別産業の生産額について、多数川下製造メーカー投資意欲が低下し、連帯的に海外需要が縮減したため、2015年1〜8月産業機械業各カテゴリー別産業の生産額はそろって減少した。このうち、「農用・林用機械設備製造業」および「鉱業・営造用機械設備製造業」の減少幅は最も大きく、それぞれ前年同期比9.94%減および同6.98%減となった。「食品・飲料・タバコ生産用機械設備製造業」および「紡績・アパレル・皮革生産用機械設備製造業」もそれぞれ同3.92%減および同2.14%減の小幅減少を見せた。

 一方、「化学工業機械設備製造業」および「ゴム・プラスチック加工機械設備製造業」は大幅成長となった。このうち、「化学工業機械設備製造業」は台湾石油化学産業投資意欲低下の影響を受けるものの、同産業は通常の設備交換の需要において、台湾における設備調達規模が拡大したため、生産額は前年同期比22.14%増の大幅成長となった。
 また、「電子業・半導体生産用機械設備製造業」も電子業による需要縮減の影響を受けるものの、同時に電子業は台湾メーカーに対する設備調達規模を拡大したため、生産額は同10.99%増の418億3,300万台湾元となった。生産規模が大きい「その他未分類専用機械設備製造業」は同1.94%増と成長した(表2参照)。

機械業界-工作機械・産業機械

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