【一般公開】2016年の振返りおよび未來展望——台湾ファスナー産業


リサーチ マーケティング 台湾事情 2017年2月23日

機械業界 金属

【一般公開】2016年の振返りおよび未來展望——台湾ファスナー産業

記事番号:T00069128

一、産業概況

 世界の工業市場の需要の冷え込みの影響を受け、2016年第4四半期台湾ファスナー産業の輸出額は前期比12.3%減の270億台湾元となった。また、欧州連合(EU)は16年2月28日から中国製金属ファスナーに対するアンチダンピング関税措置を撤廃したため、台湾当産業はEUに対する輸出額に影響を及ぼし、16年第4四半期台湾当産業のEUへの輸出額は前年同期比5.5%減の10億4,000万台湾元となった。仮にEUが中国製品に対する輸入制限を更に緩和した場合、17年台湾当産業がEUへの輸出額の輸出額の減少幅は拡大する見通しだ(表1参照)。



 世界経済が新常態(ニュー・ノーマル)に移行し、工業成長は緩やかになり、2016年のファスナー産業は投資鈍化および市場の様子見ムード影響で、全体の受注は減少し、16年通年の輸出額は前年同期比1.9%減の154トンとなる予測だ。

  また、欧米は大きな投資がなく、もしくは欧米メーカーが台湾からの輸入を新興市場に移転させた場合、2017年台湾ファスナー産業輸出額は前年同期比5~8%減となる見通しだ。

二、主要メーカー動向


春雨工廠(CHUN YU)

 ねじ大手メーカーの春雨工廠(CHUN YU)は、米国が基礎建設を拡大するビジネスチャンスに注目し、輸出市場の開拓に注力する計画だ。このうち、小ねじは原材料価格が上昇したため、商品価格に反映させやすいため、受注は順調に成長している。一方、大ねじはコストを価格に反映しにくいため、春雨工廠は全力で受注数の成長に注力している。

  また、春雨工廠の李明晃総経理は「新政府の週休2日制(一例一休)政策により、ねじ産業の労働コストの増加は回避できないものだ。新政策が実施されたあと、残業代および人事コストは8〜10%増となるだろう」と話した。



三、2017年第1四半期トピックス

  新政府の週休2日制(一例一休)政策について、各企業のトップは実務に合わないと口揃えて指摘した。台湾最大手小ねじメーカー朝友工業(JAU YEOU)の孫得人董事長は「台湾の経済は輸出中心で、世界メーカーとの競争が激しい。週休2日制(一例一休)の実施により、企業のコストは確実に増加した」と述べた。

  台湾ねじ産業公会の張土火理事長は「週休2日制(一例一休)の実施によるコスト増加について、ワイヤーシェービングメーカーの見積りでは、1キロあたりのワイヤーの加工費用は1.5台湾元だったが、今後は最大0.3台湾元増となる見通しだ。また、電気メッキのコストも10%程度増加する予測だ」と語った。

 台湾ねじ産業は主に中型・小型工場に構成され、その特徴は24時間体制、2組二交代制か3組三交代制で運営していることが多い。週休2日制(一例一休)の実施により、残業代の支出は倍で増加しており、中・小型熱処理および電気メッキ工場は操業停止で対応する方針だ。これにより、出荷遅延は回避できないだけでなく、生産コストも大幅増加となった。

四、2016年の振返り

 2016年の台湾ファスナー産業に最も大きな影響を与えた出来事は、EUが中国製金属ファスナーに対するアンチダンピング関税措置を撤廃したことである。これにより、EU市場における台湾当産業が中国製品に対する価格優位性は消滅し、慢性的に台湾当産業のEU市場シェアに影響を及ぼす見通しだ。そのため、経済部工業局は「ねじ、ナット産業の産業革新・構造転換補助計画」を打ち出し、ニッチ製品の開発、台湾製設備のスマート化、専門人材の育成およびグリーン製造技術の推進など4つの方針で、産業革新・構造転換を通じて台湾当産業の競争力を高める。

五、未來展望

 台湾ファスナー産業は欧米地区を主要輸出地区であり、資料によると、2016年上半期台湾当産業がEU地区に対する輸出額は前年同期比0.5%減である。また、17年第1四半期の輸出額は同0.3%減で、生産額は319億台湾元に達する予測だ。

  一方、台湾当産業の米国に対する輸出品目の中、建設業および機械産業向けのファスナーは最も大きな比例を占めているが、トランプが米国大統領就任後、米国製造業の国内回帰を提唱したため、米国のファスナー市場に対する影響は今後の観察ポイントとなる。

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