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高齢化社会における福祉用具の重要性


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2018年9月13日

機械業界 製造業全般

高齢化社会における福祉用具の重要性

記事番号:T00079243

 社会の高齢化が進む中、福祉用具の需要が高まっている。国際連合の「世界人口予測・2017年改訂版」によると、2050年までに60歳以上の高齢者は全世界で17年の2倍に増加し、2100年には3倍に達する見通しだ(17年の高齢者数は6億9,200万人、世界総人口の13%)。台湾も高齢化が進んでおり、内政部の統計資料によると18年3月時点で65歳以上の人口は全体の14.05%を占めた。
 福祉用具は高齢者のほか、身体障害者にも使用されている。世界保健機関(WHO)の「障害に関する世界報告書・2011年」によると世界の障害者数は10億人を超え、総人口の約15%を占めており、毎年増加し続けている。衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)の統計資料によると、台湾では16年時点で障害者数は110万人を超え、総人口数の約5%を占めた。このように、社会の高齢化と障害者数の増加が進んでおり、福祉用具の自動化・スマート化も重視されつつある。

福祉用具とは
 国際標準化機構(ISO)9999の定義によると、福祉用具とは▽個人医療用具▽技能訓練用具▽義肢装具▽パーソナルケア関連用具▽移動機器▽家庭介護用具▽家具部品▽コミュニケーション・情報支援用具▽操作用具▽環境改善機器・作業用具▽レクリエーション用具——の11項目に分けられる。

台湾の福祉用具関連法規
 福祉用具の一部は医療器具と見なされるため、その開発にあたっては医療器具の関連法規の制約を受ける。ある福祉用具が医療器具と見なされる場合、台湾医療器具法規に基づいて審査登録を申請し、許可を取得した後に販売が可能となる。同法規は医療器具を以下のように分類している。
第一級:車椅子、歩行器、エアマットレスなど
第二級:電動車椅子、シニアカーなど
第三級:パーキンソン病用の深部脳刺激療法(DBS)装置など

 医療器具審査登録の申請を行う医療器具メーカーは「適正製造基準(Good Manufacturing Practice、GMP)」を満たす必要がある。このうち、第一級医療器具はリスクが低いため、「適正製造基準」第3章の「簡略審査」によって医療器具審査登録の申請資格を取得することができる。福祉用具が第二級、第三級医療器具に該当する場合、「適正製造基準」第3編第2章の「標準審査」が適用され、第三者による審査を実施しなければならない。
 また、医療器具審査登録を申請する際には、安全規定のテスト結果を提出しなければならない。この数年、医療器具の審査はリスク評価を重視しており、メーカーは製品の特性、適用対象および使用場所についてリスク評価を行い、分析報告を提出する義務がある。加えて、リスク分析報告に基づいて適用する国際基準を選択し、検証を実施するによって製品の安全性を証明しなければならない。
 さらに福祉用具が第二級や第三級医療器具に該当する場合、台湾食品医薬管理署(TFDA)はそのリスクおよび適用症状の範囲について、医療器具メーカーに臨床試験報告の提出を求めることがある。メーカーは開発段階でTFDAに適用法律規定を確認し、事前に必要な資料を準備することができる。

福祉用具産業のイノベーション
 社会の高齢化がますます進む一方、疾患などによって身体能力を損なう人も増加しており、家庭用および医療用福祉用具、そして義肢の発展はすでに世界中で進められている。また、モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)の導入によって、遠距離介護や遠距離医療が実現しつつある。さらに、センサー技術やビッグデータを応用すれば、スマート福祉用具はフィードバックを利用した学習と最適化が可能となる。このように未来の福祉用具は高齢者と身体障害者の生活品質を向上させ、全く新しい可能性をもたらすだろう。

 

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