《新型肺炎》新型コロナウイルスの在中台湾メーカーに対する影響——電力設備製造業と機械産業


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2020年3月5日

機械業界 機械設備・部品

《新型肺炎》新型コロナウイルスの在中台湾メーカーに対する影響——電力設備製造業と機械産業

記事番号:T00088808

一、電力設備製造業
 台湾電力設備製造業のうち、重電設備と電線・ケーブル産業の主要顧客は台湾の電力会社、電信業者と建設会社であり、生産拠点も台湾に設置しているため、新型コロナウイルスの感染拡大がサプライチェーンに与える影響は少ない。照明設備および家電産業も台湾市場が中心だが、蛍光灯管やコンプレッサーなどの一部主要部品や小型家電は中国メーカーから調達、もしくは台湾メーカーの中国工場で生産されている。
 このため、中国の工場再開が予測以上に遅れた場合、供給能力が打撃を受ける見通しだ。このうち、コンプレッサーメーカーの瑞智精密(RECHI)の台湾工場(桃園市観音区)は中国製モーターおよびポンプ部品が不足しているため、生産ラインの稼働状況が影響を受け、冷蔵庫およびエアコン製品の生産スケジュールが遅れる恐れがある。  電力設備製造業は、台湾市場における販売額が高い割合を占めている。台湾では電力や建設などのインフラ関連投資が安定して成長しているため、電力設備の出荷は一定の水準を維持している。中国の重電設備産業は国内メーカーが大きな市場シェアを占めており、照明および家電産業も国内メーカーの価格競争力が高く、世界市場への進出も進んでいるため、調達先を台湾の電力設備製造業に切り替えたケースは少ない。
 新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いた場合、電子メーカーの部品在庫の補充によって生じる需要は2020年第2四半期より増加すると予測される。また、新型コロナウイルスの中国経済と世界経済の成長率に対する影響、そして電子機器の販売に対する影響は今後の注目すべきポイントである。
 全体的に見ると、中国電子メーカーの稼働率回復には時間がかかるため、台湾当産業の一部メーカーの出荷は打撃を受けるが、台湾市場では電力設備に対する需要が安定していることに加えて、感染予防対策として紫外線消毒ライトや空気清浄機などの販売額がプラス成長を維持する見通しだ。このように、プラス要素とマイナス要素があるため、2020年第1四半期の台湾当産業の景気は前年同期比で横ばいとなるとみられる。
 短期的には、各メーカーはサプライチェーンの供給問題と台湾市場における民間消費の減少に直面するだろう。中長期的には、米中貿易摩擦と新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一部製造業の生産ラインの移転がさらに加速する見込みだ。また、中国経済の成長鈍化と原材料価格の低迷によって台湾および海外メーカーの投資意欲が弱まり、これに伴って台湾当産業の販売額が打撃を受ける懸念がある。

二、機械産業
 中国は台湾機械産業にとって最大の投資市場であり、各メーカーの財務諸表を見ると中国での売上高が全体の約2割を占めている。2019年の台湾機械産業の輸出受注のうち、海外で生産された製品が全体の14.93%で主に中国製であり、台湾当産業の生産能力は中国工場が全体の10〜20%を占めていることになる。新型コロナウイルスによる影響で、中国の部品メーカーが相次いで一時閉鎖している。このため、部品供給が不安定となることが懸念されるが、中国製品はミドル〜ローエンド製品が中心であることから、台湾機械産業への影響は低いとみられる。
 部品の供給面では、台湾当産業はキーコンポーネントを海外大手メーカーに依存しているものの、それ以外の部品は自力で生産できる。この数年、コストを考慮して中国から部品を調達するメーカーが増加したが、台湾製部品にいつでも切り替えることが可能だ。総合的に見ると、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は台湾当産業の生産能力と業績にある程度の影響を与えるものの、メーカーが対応できる範囲に収まる見込みだ。
 中国の機械産業クラスターは上海、江蘇、浙江、廣東などに集積しており、台湾メーカーも工場を設置している。現地では工場の操業停止措置が取られて生産が滞ったが、現在は各地で続々と稼働再開している。例えば、▽程泰機械(グッドウェイ・マシン)、▽亜崴機電(AWEAメカトロニック)▽百徳機械(クエーサー・マシン・ツールズ)――の中国工場は当局の許可を取得し、2月24日より操業再開している。だが、稼働率は従業員の復帰、原材料の供給、感染拡大などの状況に影響を受けるだろう。
 現在、中国当局は各地の企業に業務再開を促しているが、再開後に集団感染が発生して、再び業務を停止しなければならないという事態が相次いでいる。業務再開後、いかに感染を防止していくかが、中国全体における企業活動の再開進度を左右するとみられる。新型コロナウイルスの中国経済に対する影響は、2020年第1四半期ないしは20年上半期まで継続し、これに伴ってメーカーの投資意欲も低下すると予測される。台湾の20年第1四半期の経済成長率予測は、新型コロナウイルスの影響を受けて貿易が低迷する見込みであることから1.8%に下方修正された。
 しかしながら、米中貿易協議は合意が進んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば、中国製造業の景気は徐々に回復する見通しだ。また、台湾市場も台湾メーカーのUターン投資を受けて機械設備に対する需要が増加しているため、台湾当産業の景気は2020年下半期には回復すると予測される。

 

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