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【ワイズリサーチ】新型コロナウイルス感染症の拡大とコンピュータ支援製造(CAM)の需要


リサーチ 台湾事情 その他 作成日:2021年7月22日

機械業界 技術応用

【ワイズリサーチ】新型コロナウイルス感染症の拡大とコンピュータ支援製造(CAM)の需要

記事番号:T00097360

 一、産業概況
 台湾では新型コロナウイルスの市中感染が拡大し、防疫レベルが第3段階(レベル3)に引き上げられた。これを受けて、製造・加工業界におけるコンピュータ支援製造(CAM)の需要は次の2つのポイントに集中している。
1)遠距離作業によって営業、設計、製造部門のゼロ接触を実現し、クラスター感染リスクを回避する。
2)適切な加工ツールと製造・加工方法の導入を加速し、生産のコストダウン、歩留まり率の向上及びデジタル化を推進する。

二、メーカー動向
1.台湾奥奔麦科技 遠距離加工需要をサポート
 ドイツのCAMソフトウエアメーカーであるhyperMILLの台湾子会社、奥奔麦科技(OPENMIND)の陳明均総経理によると、2020年に新型コロナウイルス感染症が流行し始めてから、同社はオンライン体制を整え、遠距離教育や訓練などのサービスをリリースした。台湾が防疫レベルをレベル3に引き上げたことを受けて、同社は21年6月末リリース予定であるhyperMILLの最新版ソフトウエアの「hyperMILLBESTFIT」機能モジュールの準備に力を入れている。
 顧客はインターネットでCAMのデータをアップロードするか、あるいはCNC制御システムを通じて機械設備の加工ツールの状態や加工位置などのパラメーターを取得した後、加工シミュレーションを行うことができる。これによって労働者の密集を回避し、遠距離での作業に対応できる。
 同機能は、加工設備の稼働状況をシミュレーションすることで、クラッシュのテストを行うのと同時に回避策を事前に準備できる。また、機械設備からフィードバックしたパラメーターを元に、鍛造、鋳造や積層成形(3Dプリント)などの加工物が産業用ロボットやクリッパーで移動された後、位置のズレを修正することが可能だ。
 また、同社は異なる加工設備メーカーや加工ツールメーカーとの提携を通して、複合材料加工を対象とした多軸加工の工具経路ソリューションを提供できる。

2.丸栄機械 超音波による低温加工法で加工ツールの損害率を抑える
 丸栄機械は高精度・高安定性の加工ツール製品のメーカーで、高単価市場を主要市場とする。また、台湾で数少ない台湾積体電路製造(TSMC)の認証を取得したメーカーであり、半導体産業向け製品の販売額が売上高の約3割を占め、近年売上高は安定して成長している。同社の李肇慶・超音波部門副総経理は、工作機械市場の需要は世界的に一定の規模を維持しており、欧米や日系工作機械メーカーは新型コロナウイルス感染症流行の影響で生産能力が低下しているため、顧客は調達先を台湾や中国メーカーに切り替えており、台湾の工作機械及び工作機械部品メーカーの商機となっていると説明した。
 近年、丸栄機械がリリースした超音波ツールホルダーは、100%自社開発であるだけではなく、顧客が導入する時に既存の加工設備や加工ツールを取り替える必要がないことを強みとしている。従来のボール盤やフライス盤による切削加工は、温度が400度を超えた場合、加工物の硬化によって加工ツールが折れる問題が多発していた。しかし、超音波加工は振動を利用して加工するため、200〜300度を維持しながら同じ水準の加工効率を保つことができ、安全性と安定性が高い。また、積層成形で焼結後に切削加工を行う時、高温によって加工物が変形する問題も解決できることから、加工時間を有効的に短縮し、加工効率も2〜3倍向上させることができる。
 李副総経理は、超音波加工の商機を楽観視しているものの、市場に参入した最初の4年は困難だったと振り返る。かつては工作機械メーカーのターンキーソリューションに合わせて、加工ツールホルダーにチップやセンサーを搭載し、加工パラメーターを読み取れるようにしたこともあったという。現在、超音波加工ツールホルダーの受注は主に航空宇宙産業と軍事産業からのものだ。

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