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《台湾海峡の緊張》軍事的圧力の常態化、市民の対中感情悪化【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2022年9月20日_記事番号:T00104837

台湾有事

《台湾海峡の緊張》軍事的圧力の常態化、市民の対中感情悪化【図表】(トップニュース)/台湾

 野党国民党寄りの大手紙、聯合報が2010年から毎年実施している両岸(中台)関係に関する世論調査「両岸関係年度大調査」で、▽外交、▽軍事、▽政治、▽経済貿易、▽社会──の5項目全てで、緊張度が最も高まった。中国の軍事的圧力が常態化する中、市民の対中感情が悪化している。ただ、中台間の開戦の可能性については、前年比0.3ポイント上昇の4.4点で調査開始以来の最高ながら、中間の5点には届かず、可能性は低いとの見方が依然多かった。

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 ナンシー・ペロシ米下院議長が8月2~3日に訪台したことに反発し、中国軍は大規模な軍事演習を実施し、台湾と中国の事実上の停戦ラインとされる台湾海峡の中間線越えを常態化させている。

 アンケート調査は8月29日~9月2日に実施し、成人1022人の回答を得た。931人は回答を拒否した。

 敵対度、友好度を問う5項目の設問は、1~10点(点数が高いほど緊張度が高く、低いほど友好的)で評価し、▽外交、8.0点(前年比0.6ポイント上昇)、▽政治、7.7点(0.6ポイント上昇)、▽軍事、7.7点(0.4ポイント上昇)、▽経済貿易、6.6点(0.3ポイント上昇)、▽社会、6.0点(0.2ポイント上昇)──だった。

「ペロシ氏訪台は台湾の損失」44%

 ペロシ米下院議長の訪台についての設問では、「台湾へのデメリットの方が大きかった」が44%で、「メリットが大きかった」の35%を上回った。支持政党別では、与党民進党の支持者は76%が「メリットが大きかった」と回答したが、国民党の支持者の76%、台湾民衆党支持者の62%が「デメリットが大きかった」と回答した。

 中台関係の緊張の要因については、前年は上位になかった「外国勢力の介入」が10%で2位タイ、「外国の官僚や民間の代表者の訪台」が7%で6位に入った。「台湾独立」の回答は14%で最多ながら、前年比6ポイント下落した。

 中台間の開戦の可能性については、「全くない」を1点、「非常に高い」を10点とした設問で、平均点は4.4点と調査開始以来、最も高かった。

 ただ、中国が台湾への武力侵攻を放棄しないと公言する中、台湾で現在実施している、正規軍の兵力に算入しない4カ月の軍事訓練義務を変更し、1年の兵役を復活することに賛成との回答は73%に上り、反対は19%だった。

 台湾の前途については、「現状を維持すべき」が53%で前年比2ポイント上昇し、「現状を維持した上で独立すべき」は13%で3ポイント下落した。「速やかに独立すべき」は18%、「現状を維持した上で統一すべき」は6%、「速やかに統一すべき」は4%で、いずれも横ばいだった。

蔡総統の中台政策、不満拡大

 蔡英文・総統の中台関係対処に関する評価は、「不満」が53%と前年比5ポイント上昇し、「満足」は33ポイントと7ポイント下落した。2年連続で、マイナス評価が拡大した。

 中国による経済制裁の拡大や、海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)の打ち切りを懸念しているとの回答は51%で、懸念していないとの回答は42%だった。

 

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