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《台湾海峡の緊張》台湾産イカやサンマなど水産物、中国が実質輸入停止【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 農林水産 作成日:2022年12月9日_記事番号:T00106372

台湾有事

《台湾海峡の緊張》台湾産イカやサンマなど水産物、中国が実質輸入停止【図表】(トップニュース)/台湾

 中国の輸出入管理を司る海関総署の公式サイトで8日時点で、台湾の水産会社など100社以上が中国輸入のための登録の追加書類を提出したにもかかわらず、わずか1社しか認められていないことが分かった。実質的な輸入停止だ。中国への輸出が約6割を占めるイカのほか、サンマやミナミコノシロ(スズキ目の魚類)などの打撃が大きい。2021年3月以降の台湾産パイナップルや石斑魚(ハタ)などの輸入停止に続く、台湾への経済制裁とみられる。9日付自由時報などが報じた。

/date/2022/12/09/00fish_2.jpg養殖のミナミコノシロは出荷シーズンを迎えていた(8日=中央社)

 中国は21年4月、中国への食品輸入業者に対し、22年1月から登録を義務付けると発表した。台湾の食品業者は3000社余りの登録が必要となったが、今年6月までに登録が完了せず、海関総署は輸入を停止すると発表した。うち台湾の水産会社は800社余りで、100社以上が8月末までの期限内に追加書類を提出したが、1社しか通過しなかった。

/date/2022/12/09/00fishchart_2.jpg

 台湾の水産物の1〜11月中国輸出は計6万7087トンだった。内訳は、▽イカ、2万2328トン(対中輸出構成比59%)、▽ミナミコノシロ、5246トン(70%)、▽サンマ、1572トン(14%)──などだった。

 中国は、21年3月に害虫検出を理由に、台湾産パイナップルの輸入を停止して以降、▽バンレイシ(釈迦頭)、▽レンブ、▽ハタ──などの輸入も停止した。ナンシー・ペロシ米下院議長が8月2日に訪台したタイミングで、中国の海関総署は3日、▽かんきつ類、▽タチウオ、▽冷凍マアジ──の輸入停止を発表した。海関総署は8月1日には、食品輸入の登録が完了していないとして、菓子など加工食品メーカー100社余りの輸入を停止し、8月末までの追加書類提出を命じていた。

 「ペロシ下院議長の訪台当時より深刻だ」と水産物売買を手掛ける朱挺玗・前高雄市議会議員は指摘し、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が米アリゾナ州に半導体工場を建設していることが関係しているとの見方を示した。

農委会「通知はない」

 行政院農業委員会(農委会)は、中国当局から台湾の水産物の輸入停止の通知は受け取っていないと説明した。中国の輸入登録の支援窓口を担う衛生福利部(衛福部)も、何も分からない状況で、農委会が情報収集していると説明した。
 

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