ニュース 政治 作成日:2022年12月12日_記事番号:T00106399
台湾有事自民党の萩生田光一政調会長が10~12日の日程で訪台し、蔡英文・総統と会談したほか、台湾日本関係協会と日本台湾交流協会の共催の「日台関係シンポジウム」で講演した。自民党の党三役の訪台は19年ぶり。萩生田政調会長は講演で、「台湾海峡の平和と安定がこれからも維持されることこそが、『自由で開かれたインド太平洋』における最大の試金石である」と語った。中国軍が8月4日に台湾周辺に弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)にも打ち込まれたと指摘し、安倍晋三元首相の「台湾有事は、日本有事であり、日米同盟の有事である」との発言の正しさを、中国自身が、その行動によって証明したと述べた。安全保障に関し、安倍元首相の路線を引き継ぐことを表明した形だ。12日付自由時報などが伝えた。
萩生田政調会長は、50年先に激変すると予想されるエネルギー分野でも、日台の大きな協力の可能性があると指摘した(11日=中央社)
萩生田政調会長は、中国に対し、力による一方的な現状変更の試みは、決して容認できず、軍事的な緊張を高めるような行動は、差し控えるべきだと改めて批判した。
蔡・総統は10日の会談で、萩生田政調会長に対し、日本との安全保障などの分野で協力関係を深化し、インド太平洋地域の自由、開放、安定を共に促進すると語った。萩生田政調会長の支持の下、安倍元首相の日台友好の信念が続いていくことを信じていると話した。
台湾のCPTPP加盟支持
また萩生田政調会長は講演で、経済政策と安全保障政策は一体不可分となっており、経済的な力が、外交・安全保障上の武器として利用されていると指摘。日本が自由貿易の旗を一層高く掲げる方針の中、その核となる環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)について、台湾の加盟を支持すると語った。
萩生田政調会長(左)は蔡・総統(右)との会談で、日台が過去50年で築いてきた深い信頼や友情関係を、今後50年でさらに上のステージに引き上げたいと語った(総統府リリースより)
台湾政府が今年2月に輸入停止を一部解除した福島など5県産食品については、残された規制が科学的な根拠に基づいて速やかに解除されるよう期待していると語った。
このほか経済面では、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県で建設中の新工場について触れ、半導体など最先端技術全般で、台湾との協力関係を一層強化すると述べた。
日本台湾交流協会の泉裕泰台北事務所代表は開幕式のあいさつで、日本台湾交流協会と台湾日本関係協会が12月に設立50年を迎えた中、今日の日台関係は最良だと指摘した。
TSMC訪問、協力強化を確認
萩生田政調会長は11日、TSMCの新竹市の本部を訪問し、同社幹部と会談した。日台の半導体分野での協力強化を確認した。
萩生田政調会長は取材に対し、「日本国内の企業とTSMCとの連携により、いつ何があっても半導体のサプライチェーンに不足が生じないような体制をしっかり確立して産業化を守っていきたい」と述べた。
李元総統の墓参り
萩生田政調会長は同日、新北市汐止区の五指山国軍公墓を訪れ、李登輝・元総統の墓参りをした。
萩生田政調会長(左)の李・元総統の墓参りには、李登輝・元総統の次女で、李登輝基金会董事長を務める李安妮(アニー・リー)氏(右2)が同行した(11日=中央社)
萩生田政調会長は蔡・総統との会談で、安倍元首相が生前、今年9月に訪台を予定しており、必ず、李・元総統の墓前で哀悼の意を表したいと語っていたと明かしていた。
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