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日台提携で「空飛ぶ救急車」、25年にも台湾で(トップニュース)/台湾


ニュース その他製造 作成日:2024年3月21日_記事番号:T00114353

日台提携で「空飛ぶ救急車」、25年にも台湾で(トップニュース)/台湾

 空飛ぶクルマ(UAM、アーバン・エア・モビリティー)や物流ドローンを開発する日本のSkyDrive(スカイドライブ、本社・愛知県豊田市、福澤知浩代表取締役CEO)と台湾の大型ドローンシステム会社の新楽飛無人機(7Aドローンズ)、工業技術研究院(工研院、ITRI)は20日、2025年のUAMサービス開始に向け、提携覚書(MOU)に署名した。離島の医療支援に当面の狙いを定め、台湾初の医療用エアタクシー(空飛ぶタクシー)を澎湖県で導入する計画だ。経済日報電子版などが報じた。

/date/2024/03/21/00uam_2.jpgスカイドライブ、7Aドローンズ、工研院は20日、交通部運輸研究所、日本台湾交流協会、UAS台湾の立ち会いで、提携MOUに署名した(UAS台湾リリースより)

 医療用エアタクシー計画では、澎湖諸島で救急医療が必要な患者を、人が運転するか遠隔操縦のUAMを使って、澎湖本島まで運んだ後、台湾本島まで移送する。機体の航続距離は10キロメートルだ。

 7Aドローンズの許新勝・執行長(CEO)は、今後、交通部民用航空局(民航局)と日台相互認証について相談し、澎湖県政府と補助金について協議すると語った。

 澎湖県以外の離島や、交通が不便な地域でも導入に向けテストする考えだ。

物流や観光にも

 UAMは、遠隔操縦が可能で、操縦士不足の問題がない上、機体が小さく機動性に優れており、騒音が少ない。管制官1人でUAM数台の離着陸を管理できる。新竹県から桃園国際空港の間の貨物輸送や、都市観光での利用も想定している。

/date/2024/03/21/00drone_forum_2.jpg2024アーバン・エア・モビリティー・インターナショナル・フォーラム(UAS台湾リリースより)

 7Aドローンズは、物流や農業用など、重量50~100キログラムの貨物を運ぶことができる6軸の中~大型ドローンを製造しており、スカイドライブのODM(相手先ブランドによる設計・生産)を手掛けている。スカイドライブは、7Aドローンズ開発の農業用ドローンを日本に導入する計画だ。

 7Aドローンズの許・執行長は、ドイツのスタートアップ、ボロコプターが今年7月に開催するパリ五輪で「空飛ぶクルマ」を運行する計画だと説明した。全世界でUAMが導入される見込みの25年に、台湾も絶対に遅れを取らないと語った。

台湾の供給網構築へ

 UAMの台湾導入には、政府の許認可のほか、運営やメンテナンス業者、部品のサプライチェーン(供給網)、充電設備などが必要だ。7Aドローンズの許・執行長は、協力企業を歓迎すると語った。

 交通部運輸研究所(運研所)の林継国・所長は、昨年から台湾でのUAM導入ロードマップを策定していると説明した。ドローンに必要な半導体、電子制御ユニット(ECU)、機械、通信など、台湾のテック業界の経験と実力をサプライチェーン構築に生かすことができると語った。

 台湾無人機大聯盟(UAS台湾)の呉盟分・会長は、台湾はハード、ソフトいずれも技術力が高く、台湾のサプライチェーンは将来、世界のUAM事業者に信頼される存在になると期待を示した。技術や法規・政策、インフラ、社会に受け入れられるかなど、まだ努力が必要だと指摘した。

 スカイドライブなど3者のMOU締結は、台北市の南港展覧館で19~22日に開催されているアジア最大規模のモノのインターネット(IoT)展示会、智慧城市論壇・展覧(スマートシティーサミット&エキスポ、SCSE)で20日に行われた、UAMのフォーラム、「2024アーバン・エア・モビリティー・インターナショナル・フォーラム」で行われた。

 UAS台湾の呉・所長は、スカイドライブ以外にも、独ボロコプターや米エイコムが来場しており、今後は世界的な大手メーカーと台湾企業がUAM開発で協力することになると予想した。

 

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