AI（人工知能）サーバー需要増加を受け、電子機器の受託生産大手5社が、研究開発（R＆D）職など計2500人以上を募集する計画だ。広達電脳（クアンタ・コンピューター）と緯創資通（ウィストロン）傘下の緯穎科技服務（Wiwynn）は、下半期（7～12月）に、米エヌビディアのグラフィックスプロセッサー（GPU）搭載サーバーを出荷予定で、今年のAIサーバー売上高がサーバー売上高の半分以上を占める見通しだ。11日付経済日報が報じた。

ウィストロンの林・総経理（右）と緯穎科技の洪・董事長（中）は7日、蒋万安・台北市長（左）と、台北市内湖区の用地使用権について、それぞれ契約を締結した（7日＝中央社）

　クアンタの楊麒令・副総経理は、サーバー部門は現在2200人いるが、案件が多いので今年10％増員すると説明した。

　楊俊烈・クアンタ財務長は、今年のサーバー売上高は10％以上増加する見通しで、AIサーバーが50％以上を占めると予想した。今年のノートPC売上高構成比は31〜33％に縮小する一方、ノートPC以外は70％近くに拡大すると予想した。

　クアンタは、エヌビディアのGPU「GB200」搭載サーバーを9月に出荷する予定だ。

　仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）のサーバー部門は現在700人だ。陳瑞聡・コンパル董事長は、同業他社のサーバー部門1500〜2000人規模に追い付くため、AIサーバーや水冷式冷却システムなどの研究開発職を増員すると表明した。

ウィストロン、内湖にAI拠点

　ウィストロンは、2026年に台北市内湖区で、AI事業の中核となるデジタルコンテンツセンター兼グローバル運営本部が完成する予定で、1000人以上を募集する計画だ。

　ウィストロン傘下のサーバー受託生産メーカー、緯穎科技は27年に台北市内湖区で企業本部が完成予定で、30年に3500人を雇用する計画だ。

　ウィストロンの林建勲・総経理は、台湾の研究開発職は5000人以上で、うち80％以上が台北市に集中しており、台北市内湖区の2拠点が完成しても、スペース不足の恐れがあり、3拠点目も視野に入れていると語った。

　林・総経理は、昨年はAI関連の部材不足で出荷が遅れたが、今年は売上高も出荷量も倍増する見通しで、売上高構成比は10％を超えると予測した。まだAI関連の売上高構成比はPCを超えないが、AIサーバーの売上高はサーバー全体の50％以上を占めると語った。

　緯穎科技の洪麗甯・董事長は、昨年末時点のAIサーバーの売上高構成比は20％だったが、今年第4四半期（10〜12月）に50％を超えると予測した。第4四半期に、エヌビディアのBlackwellアーキテクチャー採用サーバーを出荷する予定だ。

　英業達（インベンテック）は、今年300人を募集する予定だ。主にAIなどの研究開発エンジニアを募集し、サーバーや車載用、ノートPC向けに注力する。

MSIやギガバイトも

　マザーボード大手の微星科技（マイクロスター・インターナショナル、MSI）は、研究開発チームが250人いるが、さらに100人以上増員する計画だ。技嘉科技（ギガバイト・テクノロジー）も100人以上募集する計画だ。

【セミナー情報です】
データサイエンスと最多コンサル実績で考察！2024年日台企業給与水準と支給ノウハウセミナー。6月18日開講。オンライン受講受付中です！
検索は「ワイズ、最新給与」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/115309.html