ニュース 電子 作成日:2025年1月15日_記事番号:T00119607
ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の陳瑞聡・董事長は14日の旺年会(忘年会)で、AI(人工知能)サーバー、車載用、第5世代移動通信(5G)の3本柱を加速すると表明した。AIサーバーの今年の売上高は、サーバー全体の15~20%に引き上げる。陳・董事長は、AIサーバーはやや出遅れたが、すぐに先頭グループに追いつき、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアの年次カンファレンス「NVIDIA GTC」に、今年は絶対に出席すると意気込んだ。15日付経済日報などが報じた。
陳・董事長(左)は、3カ年計画で、経営陣の若返りや新幹部の育成も進めると説明した(14日=中央社)
コンパルのアンソニー・ピーター・ボナデロ総経理は、AIサーバーについて、エヌビディアのモジュール式リファレンスアーキテクチャー「NVIDIA MGX」採用のAIサーバーのサプライチェーン(供給網)入りを果たしたと説明した。大規模言語モデル(LLM)トレーニングでAIサーバーは重要だと指摘し、米クラウドサービスプロバイダー(CSP)大手4社の受注を狙うと語った。
コンパルは昨年、サーバー部門を700人以上まで増員しており、今年は800人まで増やす計画だ。
陳・董事長は、コンパルは事業転換の3カ年計画を進め、ノートPC受託生産業務を縮小しており、粗利益率はかつての3~4%から、5%以上に上昇したと指摘した。
24年の連結売上高は前年比3.9%減の9102億7300万台湾元(約4兆3600億円)で、過去7年で最低だった。AIサーバーブームに乗り遅れ、受託生産大手5社のうち、コンパルと和碩聯合科技(ペガトロン)の2社のみ減収だった。
コンパルの24年第3四半期(7~9月)の粗利益率は5.01%に上昇した。13年ぶりの5%台だ。24年第3四半期の純利益は前期比39%増、前年同期比39%増の33億3000万元だった。
■PC買い替え予想
陳・董事長は、車載用は、自動車メーカーと直接取引する「Tier1」(ティア1、1次請け)サプライヤーになったので、急速な成長が見込めると明かした。
5G事業は、25年売上高が前年の2~3倍に増加する予想だ。
PCについてボナデロ総経理は、今年は法人向けPCの需要が増えるほか、Windows10のサポート終了(25年10月)で、買い替えが進むと予想した。AI搭載PCは、26年に普及率は40~60%まで上昇すると予測した。
コンパルは14日の忘年会で、最新のサーバーや冷却ソリューションを展示した(14日=中央社)
■米テキサス工場検討
ボナデロ総経理は、1月20日に就任するトランプ次期大統領の関税引き上げ方針の表明を受け、北米での生産拠点設置を検討すると語った。電力供給のインフラが整っている米テキサス州が候補地だと説明した。
コンパルは現在、世界9カ国・地域に生産拠点がある。ベトナムやポーランド、米インディアナ州、インドなど、中国以外で生産能力を拡大し、地政学的リスクに備える。
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