ニュース 社会 作成日:2025年3月26日_記事番号:T00120812
ワイズ横丁台湾人と結婚した中国人配偶者で、中国による台湾の武力統一を肯定する発言を行ったとして内政部移民署に居留許可を取り消され、台湾から退去を命じられたインフルエンサーの女性(アカウント名・亜亜在台湾)が25日、台北松山空港から中国福建省の福州行きの航空便で台湾を離れた。頼清徳・総統が中国の統一・浸透工作に対して対抗措置を発表するなど、対中警戒感が高まっているさなかに起きた騒動は、言論の自由や人権問題も絡んで波紋を広げている。
女性は夫や3人の子どもと抱き合った後、台湾を離れた(25日=中央社)
女性は25日午前、内政部の前で退去処分の撤回を要求し、自ら台湾を離れるつもりはないと表明していたが、同日夜、家族や支援者に付き添われて松山空港に現れた。「弁護士と相談し、台湾の法律を尊重すべきだと考えた。今後、台湾に戻ってきたときに汚名が残ることのないように、潔白な形で台湾を離れたい。いつか正々堂々と台湾に戻れる日が来ることを願っている」と語った。
「確かに武力統一について語ったことはあるが、それは情勢分析に基づいたもので、もし武力統一が実行されたら、台湾にどれほどの被害が及ぶかという内容だった。私は戦争を望んでおらず、あくまで平和的統一を主張している」と強調。「自分は普通の母親なのに、メディアは『偽装結婚』などとレッテルを貼って人格を破壊し、自分が武力統一を吹聴いるかのように報じている」と批判した。
女性の夫は「強制退去は本当に不公平だ。私たちの声を聞いてくれる人は少ないが、それでも法律は公平だと信じている」と述べた。退去処分撤回の申し立てに対する最高行政法院(最高行政裁判所)の判断に望みを託し、内政部に対し「私たちの家庭を壊さないでほしい」と訴えた。
空港には、多くのメディアやユーチューバーらが駆けつけ、「まだ非を認めないのか。二度と戻ってくるな」と叫ぶ人がいる一方で、「亜亜(ヤーヤー)頑張れ」と声援を送る支援者もいた。
卓栄泰・行政院長(首相に相当)は25日、立法院でメディアの取材に応じ、「内政部が両岸人民関係条例に基づいて処理している。言論の自由には限界があり、それは国家の存続に関わるものだ」と指摘。「国家を中傷しながら、同時に国家の保護を求め、さらには国家を破壊しようとする行為は間違っている」と強調した。
一方、葉慶元・弁護士は中国時報の取材に対し「中国大陸出身の配偶者がTikTok(ティックトック)で統一について語っただけで、台湾の国家安全を脅かすことになるのか」と疑問を呈した。
中国との緊張が続く中、主権を守るため厳しい姿勢で臨むのか、言論の自由や家族と暮らす権利を守るのか、台湾では論議が続きそうだ。
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